梅ちゃん先生を見ていて
Posted on: 日曜日, 9月 23rd, 2012 in: クリニックより近くに病院ができることになり、医院の経営に不安を感じだしたころに、医院を閉じて病院に勤めないかという話が来ました。確かに、勤務医のほうが収入も安定しますし、勤務時間も決まっているので楽です。しかし、梅ちゃん先生は開業医を続けると決めたようです。しかし、病院がオープンすると途端に患者数が減っていました。
病院にはレントゲンや最新の検査機器があるので、患者さんは設備のいいほうに行ったのでしょうね。梅ちゃん先生のところには、レントゲンもないので、設備としては不利です。病院でなくても新しく医院がオープンすると患者さんはそちらに流れるものです。レストランと同じで、新しいところには行ってみたいですからね。
私にも同じような話がありました。開業医をやめて公立病院の部長で行く話です。大きな病院だったので、部長になれば私の経歴にもいい効果があります。当時、医局とその病院には連携がなかったので、連携を作るためにも医局としても行ってほしかったようです。しかし、仕事内容が気に入りませんでした。女性専門外来なので、治療をするのではなくて、どの科の疾患か振り分けるだけの作業だったのです。当時、女性の不定愁訴を時間をかけて聞くという作業を女性専門外来と称して、女医たちに押し付けていたのです。治療になれば、男性の医者に変わるので、意味ないことだと思っていました。
とはいっても、公立病院のトップも知っている先生でしたし、かといって見ている患者さんたちを放置していいのかと悩んでいました。そんなとき、地域で開業している先輩二人が、ワインでも飲みに行こうって誘いだしてくれました。そこで、この話を出したところ、行くなと反対されました。一緒に開業医をやっていきたいと、説得されたのです。違う科で連携していましたので、患者さんもお願いしたり、紹介されたりしていました。先生のところの患者さんは質がいいし、病気の発見率も高いと言われました。
そんな評価をされていると知らなかったのでびっくりしました。同僚に、一緒に地域医療をやっていきたいと言われるなんて思ってもみなかったので、本当にうれしい話でした。結局、開業医の連携で、大学病院以上の質の高い医療ができると確信して、公立病院の部長の話は断りました。その後、医療の現場を大阪市内に移転したので、先輩方には申し訳ないことをしたと思っています。
今のクリニックは、梅ちゃん先生の物語と同様にレントゲンはありません。ほとんどの診断は、被爆の心配がいらない超音波で行っています。レントゲンが必要なら、近隣の先生にお願いしますし、CTなどが必要なら、連携している病院があります。そうやって、レントゲンなんてなくてもちゃんと医療がやっていけるんです。そのことを、梅ちゃんに伝えたいなあと思いながら、連ドラを見ています。
高血圧を放置している方がいます
Posted on: 土曜日, 9月 22nd, 2012 in: クリニックより高血圧があるとわかっていて、放置されている方がいます。高血圧から透析になる人もいるわけで、怖いことだなと思います。透析患者さんの3割は、高血圧からだそうです。透析になると、かなりの食事制限が必要になります。透析しているから、自由に食事ができると思ったら大間違いなのです。透析になるまでも、浮腫がひどくなりまともに生活できなくなります。透析だけは嫌だと言っていた人も、浮腫のひどさなどで、透析してくれってことになります。
知らないということは、大変怖いことです。なってしまってからでは、もうどうしようもありません。腎臓に効く薬はないのですから、薬が嫌だと言ってる場合じゃないんです。高血圧になっても薬を飲みたがらない人は、飲み始めたら一生飲まないとならないと思っているからだと思います。誰がそんなことを言ったんでしょうね。薬なんて、よくなればやめることができるんです。実際、クリニックでは高血圧の薬が必要なくなった方がいます。70歳ですよ。歳は関係ないんですよ。
少しの努力と、一部は薬に頼る。そんな感じでいいんだと思います。確かに、ダイエットと徹底的な減塩で、血圧はさがると思います。でも、下がるまでには時間がかかります。その間放置すれば、全身の血管が日々痛んでいくんです。血管の状態が見れるようになれば、理解してもらえるかもしれませんが、見えないからどうも思わないんですよ。
どうすれば、治療が必要な人を治療に導けるか、その方法を探すことが先決でしょうね。
科学館に行ってきました
Posted on: 水曜日, 9月 19th, 2012 in: クリニックより科学館のことは、テレビなどで見ていたので、一度行ってみたいと思っていました。プラネタリウムがあることは知らなかったのですが、プラネタリウムが目的で、来ている人のほうが多い感じでした。展示物は、いろんなことが経験できるように作られていますが、子供たちは意味も理解せずたたいたり、引っ張ったりしていました。物理や化学が実際に体験できるものなので、もう少しなんとかならないかと思いました。
私は、物理と数学が好きでした。特に、物理は一つの公式からほとんどの公式が導けるので、覚える必要がなかったから好きでした。物理が好きになったのは、子供のころに高速道路を走っている車の中で、はえが飛んでいるのを見たからです。このはえは、100キロで飛んでいるのかなと不思議でした。
その後、物理に出会い、あのはえは、100キロで飛んでなかったと知りました。それが好きになった原因でした。いろんな現実が、公式などで理解できるようになるわけです。なぜって思っていたことが、理由がわかりだして頭がすっきりしだしました。そのころからでしょうか、どんなことにも理由があると思うようになってのです。
人が病気をすることも、死ぬことも、生まれることも、そのタイミングも必ず意味があると思いました。そうやって見ていると、とても面白いです。からだに痛みが出ることも、からだのアラームだから、ちゃんと対処してあげようって説明しています。定期健診なんかより、自分の体のアラームにちゃんと向き合ってるほうが、病気を早く見つけられると思ってます。
出会ったことにも意味がある。離れてしまうことにも意味がある。そんなことを考えながら毎日過ごしています。
通販限定というのは、なぜなんでしょう
Posted on: 日曜日, 9月 16th, 2012 in: クリニックより通販限定と宣伝している商品があります。それを見ていて、いつも不思議に感じます。特に、健康食品類は通販限定が多いように思います。なぜ店頭販売しないのでしょう。そんなにいいものだと思うなら、店頭でも売ったらいいのにと思います。でも、店頭では買った人の情報が入らないからでしょう。
特に、健康食品はそういうものを好む人たちがいますから、情報を集めて新たな情報を送るんだと思います。個人情報がうるさくなって、情報漏えいにもかなり気を使いますが、各個人はこういったところからの情報漏えいを知らない間にしているんでしょうね。
医療機関では、患者情報の漏えいは固く禁じられています。スタッフたちも、個人情報の漏えいをしないという書類にサインさせられます。昔からそうだったので、最近うるさくなったと言っても私たちにはピンときません。
通販のことに話を戻すと、アマゾンなどのネットショッピングに商品を出すのにもお金がかかります。そのお金が払えなくなって、閉店する店も多いそうです。本を本屋に並べてもらうにも、お金がいるそうです。テレビで宣伝を流すのには、もっと多額のお金が必要でしょう。何をするにもお金がいるんですね。
手数料商売が一番おいしいんだと思います。何もしないでも、自動的にお金が入ってくるというものです。知らないうちに、そういったことに加担しているんでしょうね。私たちは、日々汗をかきながら診療をしています。半日でも、スタッフはくたくたです。それでも、それが楽しいから汗を流します。
そうやって、汗を流して仕事してほしいものです。
足踏みミシン、あります
Posted on: 土曜日, 9月 15th, 2012 in: クリニックより現役で動く足踏みミシンがあります。私が、子供のころに使っていたものとほぼ同じものが見つかったのです。クリニックのオープン当初からおいていますが、まだ、活躍していません。足踏みミシンを教えてくれるお年寄りがいらっしゃったら、若い人に教えてほしいと思っておいているのです。古いいいものに触れてほしいと、古いものも集めています。
テレビで、足踏みミシンを見たお年寄りが本当にうれしそうな顔をされていたので、思い出しました。うちのミシンは、たまにスタッフや、スタッフの子供さんが触るぐらいで、まだちゃんと機能していません。それが少し残念です。診療時間内でも、ミシンを触りに来るだけできてもいいんです。そういう場所にしていますから。
検診を過信していませんか?
Posted on: 金曜日, 9月 14th, 2012 in: クリニックより昨日、後輩の女医から、検診の施設で働いているのはもったいないとメールが来ました。先生は、臨床の医者だから、もったいないですよって。私は、検診にしか行かない人たちがいるから、その人たちと話がしたいから続けたいと返信しました。
私たち、医療関係者の間では、検診の仕事は評価されません。検診施設に勤めていた経歴は、その後の転職には不利になります。多くは、非常勤でしか働かないし、看護師たちは1年続かないそうです。検診の現場では、常勤は非常に少なく、そういう人たちはもう他では働けないので、必死で仕事を継続しようとします。やめさせられたら困るから、不条理なことがあっても黙っているのだと思います。
クリニックで検査をすすめた時、検診で受けたからいらないとか、検診で受けるから必要ないと言われることがあります。今までは、それを許していましたが、今後は許可しないことにします。その日の炎症の程度や、栄養状況をみるためだし、空腹時で採血している検診のデータは参考にならないからです。
検診で、異常が見つかって来院された方には、再検査をします。それは、検診の結果を信用していないからです。検診とは、集団で行われるもので、個々の症状にあわせて調べるものではありません。採血の結果を出す検査技師も、流れ作業でやっているだけです。臨床の現場では、症状に合わせて病気を予測して検査します。なので、検査オーダーもつじつまが合わなければ、検査会社から問い合わせが来ます。検査値に問題があっても、連絡が来ます。そうやって、ひとりひとりを大切に扱っているのです。
検診でおかしいと思うのは、施設のレベルもあると思うのに、会社指定の場所で受けるから、選択肢がないことです。どこで受けたのか聞いて、そこはだめでしょって思うこともあります。でも、指定だから仕方ないと聞きます。検診施設側は、ビジネスでやっているので、数をこなしているだけです。検査結果は郵送されるのみのことが多く、人間ドックなど医師面談があっても、臨床経験のない医者だったりもします。
臨床をやっている医者は、予測をして、その結果を知り、新たに知識をつけて行きます。必ず結果に責任があります。治療をしてみてどうなるか、悪化した場合どうなるかも知っています。でも、結果だけを説明する医者には、そういった知識がありません。放置してどうなるかも教科書でしか知りません。そうなれば、熱心に説明するでしょうか?
検診施設で働いていると、医療機関より検診のほうが格が上だと勘違いしている人が多くいることに気づきました。症状があったけど、検診の予定があったから、受診しなかったとか、毎年検診を受けてるから、医療機関には行かないとか、そんな言い方をされます。検診は、検査をするだけで、治療する場ではありません。症状があれば、すぐに医療機関に行くべきなのです。人間ドックで胃がんが見つかってなくなった人がいると聞きました。顔色が悪いと言われていたのに、医療機関に行かず、人間ドックの日程を待っていたようです。早くに医療機関に行っていれば、助かったかもしれません。そんな間違いを犯してほしくないといつも思っています。
乳製品の取り過ぎで乳がんになります
Posted on: 木曜日, 9月 13th, 2012 in: クリニックより乳製品の取り過ぎで乳がんになりますと言うと、なんとなく聞こえはいいですが、牛の乳を飲みすぎると乳がんになりますと言うと、なんだか怖いですよね。乳がん検診をしていて、いつも思うのはみんなちゃんと勉強してないなあということです。自己検診はどんどんすたれて行き、若い人はほとんどしていません。その理由として、自己検診の説明書を読むのすらめんどくさいからだと聞かされたことがあります。
確かに、昔はもっとシンプルでした。いつの間にか、自己検診の方法の種類も増えて、文字数も増えています。それを月一回しろって、誰が考えたんだろうって思います。おそらく男性でしょうね。月一回書かれた方法をすべてやってみれば、誰もやらなくなるとわかるはずだからです。検診の現場のスタッフも、やったことないと言っていますしね。
それに、説明書の表紙にマンモグラフィーだけでは発見できない乳がんがあるから、自己検診しましょうと書いてありました。?????違いますよ。唯一、自分でがんを発見できる臓器だから自分で触りましょうってことです。検診で触診を受ければ大丈夫なのか?医者は検診では何十人ものお乳を触っています。硬さも大きさも違う乳房を何人も触っていて、確実に乳がんを見つけることができるでしょうか?自分で普段から触っているほうが確実に決まってますよ。
アメリカでは、触診は推奨されていません。アメリカ人は、触られるのを嫌がるからだそうです。乳房も大きいから、触ってもわからないのでしょうね。日本人の乳房もだんだん大きくなってきていますから、いつの日か触診は意味をなさなくなると思います。乳脂肪の取り過ぎは、乳がんだけでなく糖尿病も増やしています。そういったことは、誰も教えてくれないので、自分で勉強しないとなりませんよ。
尿酸値が高い人には、いくらやたらこなど生命の元をたくさん食べてるのだから、仕返しされて当たり前ですよねと言います。便秘も肥満も病気です。なぜそうなったかをじっくり考えれば、わかるはずなんです。食をおろそかにしてきたから、日本は病気だらけになりました。そういったこと、自己責任で考えてほしいものです。
最近、おもしろかったこと
Posted on: 水曜日, 9月 12th, 2012 in: クリニックより蒸気機関車のメンテナンスで、石炭の燃えかすを出す作業を見ました。機関車の下に大きな穴があいていて、そこにおとしていくのです。昔の日本の便所のイメージです。機関車がうんちをしているようで、面白かったです。博物館で電車を集めたものもありますが、展示しているだけなので、ある意味面白みが少ないです。実際に働いている姿を見るのは面白いし、蒸気機関車もこういった裏の作業の見学ができればいいなと思いました。
米軍の空母の番組を見ました。空母を維持するために、たくさんの人でゴミ拾いをするシーンはびっくりしました。ハイテクの船でアナログなことをしているからです。役割ごとで、服は色分けされていて、誰が見てもわかるようになっています。空母での離発着のミスは重大な事故になるので、大変だろうなと思いました。潜水艦の見学をしたときは、狭くて怖い感じがしましたが、空母なら広々しているから乗ってもいいなあと思いました。
航空博物館もいくつか行きましたが、動かないから楽しくないですね。でも、その飛行機が飛んでいたころの映像を見ると動かない飛行機を見ても違った目で見ることができます。新しいものができたら、旧型は引退していきます。それは仕方ないことですが、蒸気機関車のようにいつまでも動かしてほしいものです。
空母の中には、コンビニもアスレチックジムも散髪やもクリーニングやも教会もあります。食堂もあり日常生活が出来るようになっています。6000人が暮らしているそうです。ごみ処理施設もあるのですから、びっくりしますね。ますますのってみたくなりました。
イタリアには精神科病院はないそうです
Posted on: 月曜日, 9月 10th, 2012 in: クリニックよりイタリアでは、2000年ごろから精神科への新規入院をなくしていき、精神科の病院を減らしていってなくしてしまったようです。その代わりに、地域でサポートをしているそうです。若い時に精神科の病院で当直もしたことがありますが、病棟に入るのにも鍵を使って、入らなくてはならなくて、当直室も当然鍵つきでした。
幻覚や幻聴を起こして、暴れる人もいるためですが、閉じ込めたからと言って治るわけではありません。最近も、一般病院に入院中の患者さんが、地震が起こったと思ったらしく、病棟中を何か言いながら歩きまわりだしました。他の人に危害を加えることはなかったのですが、周りは困ってしまいました。結局、家族によってもといた精神科の病院に戻されました。
幻覚や妄想は脳が作り出していますが、本人には実際に起こっていることなのだと思います。何かがきっかけで、幻覚や幻聴を感じだすのだから、そのきっかけを探す必要があるのじゃないかと思います。病気を治すためだけに生きなくてはならないのか、本当に病気が治るのかそんなことを考えてしまいます。
他にも、数種類の薬を飲まされている人がいました。見た目には、普通に見えるのにそんなに薬を飲まないとならないのでしょうか?トラウマとかPTSDとかうつ病とかそんな言葉ができてから、精神科にかかる患者さんが増えたように思います。私が若いころは、精神科にかからなければならない人は、本人は精神的に異常をきたしているとは気づいていませんでした。
救急の現場では、精神科にかかっているというだけで断る病院が増えています。それが、単に不眠症であってもです。内容は詳しくわからないからです。精神科の専門病院では、ボーダーラインが増えていると言っていました。そこでは、精神疾患も短期間で治す技術を持っていました。
ライオンの世界では、新しいオスがやってくると子ライオンを殺してしまいます。そんな映像を見ました。メスに発情させるためには、前のオスの子供は殺さなきゃならないそうです。本当にむごい光景でした。自分の子孫を残すためには当たり前のことなのです。人も、動物の一種です。理性というもので、そういうことはしちゃダメと思っていますが、結局は動物なんだと思います。
正常だと思っている人たちが、異常者を作り出しています。どこからが異常なのかは、私にはわかりません。異常者だと決めていいのかどうかもわかりません。なぜそうなってしまったのか、それを考えてあげたいって思います。


