高血糖と低血糖のひらいクリニック

アクセス
内科/外科/糖尿病・内分泌内科/消化器内科/肛門内科/形成外科/ (予約優先) ひらいクリニック 大阪市中央区南船場3-2-6 大阪農林会館 B-1号室 TEL06-6125-5350 FAX06-6125-5351

ひらいクリニック

   外科OGTT脂質異常症甲状腺消化器総合診療科

梅ちゃん先生を見ていて

近くに病院ができることになり、医院の経営に不安を感じだしたころに、医院を閉じて病院に勤めないかという話が来ました。確かに、勤務医のほうが収入も安定しますし、勤務時間も決まっているので楽です。しかし、梅ちゃん先生は開業医を続けると決めたようです。しかし、病院がオープンすると途端に患者数が減っていました。

病院にはレントゲンや最新の検査機器があるので、患者さんは設備のいいほうに行ったのでしょうね。梅ちゃん先生のところには、レントゲンもないので、設備としては不利です。病院でなくても新しく医院がオープンすると患者さんはそちらに流れるものです。レストランと同じで、新しいところには行ってみたいですからね。

私にも同じような話がありました。開業医をやめて公立病院の部長で行く話です。大きな病院だったので、部長になれば私の経歴にもいい効果があります。当時、医局とその病院には連携がなかったので、連携を作るためにも医局としても行ってほしかったようです。しかし、仕事内容が気に入りませんでした。女性専門外来なので、治療をするのではなくて、どの科の疾患か振り分けるだけの作業だったのです。当時、女性の不定愁訴を時間をかけて聞くという作業を女性専門外来と称して、女医たちに押し付けていたのです。治療になれば、男性の医者に変わるので、意味ないことだと思っていました。

とはいっても、公立病院のトップも知っている先生でしたし、かといって見ている患者さんたちを放置していいのかと悩んでいました。そんなとき、地域で開業している先輩二人が、ワインでも飲みに行こうって誘いだしてくれました。そこで、この話を出したところ、行くなと反対されました。一緒に開業医をやっていきたいと、説得されたのです。違う科で連携していましたので、患者さんもお願いしたり、紹介されたりしていました。先生のところの患者さんは質がいいし、病気の発見率も高いと言われました。

そんな評価をされていると知らなかったのでびっくりしました。同僚に、一緒に地域医療をやっていきたいと言われるなんて思ってもみなかったので、本当にうれしい話でした。結局、開業医の連携で、大学病院以上の質の高い医療ができると確信して、公立病院の部長の話は断りました。その後、医療の現場を大阪市内に移転したので、先輩方には申し訳ないことをしたと思っています。

今のクリニックは、梅ちゃん先生の物語と同様にレントゲンはありません。ほとんどの診断は、被爆の心配がいらない超音波で行っています。レントゲンが必要なら、近隣の先生にお願いしますし、CTなどが必要なら、連携している病院があります。そうやって、レントゲンなんてなくてもちゃんと医療がやっていけるんです。そのことを、梅ちゃんに伝えたいなあと思いながら、連ドラを見ています。

Comments are closed.