高血糖と低血糖のひらいクリニック

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ひらいクリニック

   外科OGTT脂質異常症甲状腺消化器総合診療科

脂質異常症・中性脂肪・尿酸

脂質異常症(高脂血症)

HDLが40以下でも高脂血症の扱いになるため、脂質異常症という名称に変わっています。
脂質異常症がなぜ病気かというと、動脈硬化が進むためなので動脈硬化予備軍と名前を変えた方がいいと思います。

高脂血症というと、まずコレステロールが高いことが連想されると思います。
いまは、総コレステロールではなくて、LDLコレステロールで判断します。

LDLは悪玉と言われていますが、本来体にとって必要なものです。
LDLが高いと言われた人は、まずは食事から動物性脂肪と乳脂肪を減らしてください。注意が必要なのは、ヨーグルトです。乳脂肪が多いのですが、あっさりしてるので、そう思わない人が多いからです。アイスクリームなどもそうです。乳脂肪に注意です。

動物性脂肪は常温では固形になるものです。とろっとか、ふわっとか、サクッというような食感を作っています。一方で、植物性脂肪は、常温では液体です。例外がマーガリンですが、純粋な植物性脂肪ではなくて、加工品です。アメリカでは、トランス脂肪酸が問題になり、あまり使われなくなっています。

コレステロールの役割

問題なのは、高い人より低い人かもしれません。

LDLが低いからいいと思っている方が要注意です。
低い場合、食事の偏りも考慮しますが、甲状腺機能亢進が隠れている場合があります。
それもない場合、食事も十分とっている場合は、悪性新生物の存在まで考えないとならないことがあります。悪性新生物とは、いわゆるがんのことです。

LDL値が正常だったらそれでいいのか?

時間経過とともに判断しないとなりません。上がってきてる最中なら要注意です。

正常値というのも一概には信用できません。
若ければ、160まではいいとされていますが、何かファクターが増えるたびに基準値が下がります。
(と書いていましたが、いつの間にか正常値が139までに変わっていました!)
ファクターとは、年齢などもそうですが、病気になったらということです。
最低の基準値は、冠動脈疾患の既往です。心筋梗塞、不安定狭心症などです。
その場合、100以下ということになります。

では、なぜ病気になる前から、厳しい基準値を設けないのでしょうか?
病気になってから言われても、遅いですよね。

血管外科をしている連中は、自分のLDLを80まで下げていると言います。
LDLが少しでも高いと、血管の中はドロドロだそうです。
直接見たことはないのですが、話を聞くと怖いですよね。

LDL/HDL比が話題になった時期もあります。
2.0ぐらいがいいんじゃないかというあたりで、立ち消えになっている気がします。
ところが、心筋梗塞を扱う人たちは、LDLが高くない人がいることに着目しています。
高くないのに、なぜ心筋梗塞を起こすのか。。。

それで、比は1.0でなおかつ、低い目がいいのではないかと言っています

HDLはどうでしょうか?

40以下なら、それだけで脂質異常症(高脂血症)になります。
全身で余ったコレステロールを肝臓に回収する役目だからです。
回収が間に合わないと、全身の血管内に脂がたまるということです。
低いのに、高脂血症と知らない人が多いようです。
HDLを増やすには、魚の油とか植物性脂肪が必要です。
高脂血症なのに、脂を取らないとならないって変ですよね。
飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸。。。その辺に理由があるようです。

一方で、HDLが高い人はどうなるでしょうか?

一時は、長寿症候群だと言われていたそうです。
でも、最近、遺伝的にある種の酵素蛋白(CETP)が欠損しているためだと言われだしています。
そうなると、HDLが高くても機能してないので、動脈硬化になるそうです。

家族性高脂血症はどうでしょうか?

家族みんな高いし、遺伝だから仕方ないという人がいます。
これについても、ホモかヘテロで治療開始時期が違うと言われています。
心筋梗塞の原因なので、何歳ぐらいで心筋梗塞になりやすいかより逆算して治療を始めるのです。

動脈硬化ってどうやって調べるのでしょうか?

頸動脈エコーが一般的です。首をみるのではなくて、全身の血管の評価を一番見やすい首でするというだけです。これで、プラークが確認されれば、治療は急がねばなりません。
それ以外に、脳MRIでも頸動脈の状況はわかります。
どちらの検査も、被曝がありませんので、気楽に受けていいと思います

動脈硬化が、マンモグラフィーでもわかるって知っていますか?
血管の石灰化が写ってくるのです。
マンモグラフィーの読影をしていて、動脈硬化が気になることがたまにあります。
乳がんとは関係ないので、いいんですが、ちゃんと治療してるかなと気になることがあるんですよ。

糖尿病、高脂血症、高血圧

遺伝もあるので、不可抗力の場合もありますが、多くは生活習慣から来ています。
病名を分けたらいいのにと思うことがあります。
生活習慣からの人は、食べ過ぎ病とか、偏食病とか。。。
遺伝性の人が、同じように扱われるのはかわいそうだからです。

どの病気でもそうですが、薬だけ飲んでいたらそれでいいというわけではありません。
飲んでるから安心、検診を受けているから安心、そう思っていることの方が危ないんです。

 

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中性脂肪ってなんでしょう

食後中性脂肪は糖質の取りすぎで上がるといわれています。脂肪と言いますが、糖質から作られる一時貯蔵のエネルギーだといわれています。そのため、一日中値は変化します。食後数時間でピークまで増えるといわれているので、測定するタイミングによって値がかなり変化します。前の日に食べ過ぎても翌日に影響しますが、前の日に節制していれば、翌日はかなり下がります。

空腹時中性脂肪が正常でも、食後だけ上がる人がいて、その値が500を超えていると血液も真っ白に変化しています。食後中性脂肪が高いと心筋梗塞になる確率が上がるといわれ、食後の値が重要だといわれています。検診では、空腹時の値しか見ていないので、検診で問題なくても、心筋梗塞を起こす人がいるわけです。

肥満の人は、脳が中性脂肪を作るように指示していると言われ始めています。確かに肥満の人の中性脂肪値は下がりにくいのです。ダイエットがうまくいっても下がってこない場合があります。過去に体にため込んでいたものが流れ出てきているのかと思っていましたが、どうもそうではないようです。

一番いい治療法は、体重を落とすことですし、次に食事のバランスを整えることです。それでも、下がってこない方には内服をしてもらう場合もあります。

自分の血が真っ白になっているのを見たら、怖くなりますよ。
採血して、少し時間をおかないと見えてこないので、少し待っていただいて、ぜひ自分の血液を見てください。

中性脂肪

尿酸ってなんでしょう

尿酸は痛風のもとだと思われてきました。痛風発作は、関節の中で尿酸が結晶になるから痛みを出すそうです。私は、関節の中に入らないと結晶にならないと思っていました。ところが、血液中で唯一結晶のまま流れているそうです。

結晶のままで血管内を流れれば、血管を内から傷つけていることは明らかです。そのせいで、全身の血管障害を起こすようで、最近は心臓も痛めているといわれています。ビールを飲むと上がると思われがちですが、それだけではありません。

肝類がダメなのですが、干物の魚もダメだそうです。尿酸というのは、核酸の分解産物なので、生命のもとをたくさん食べると増えます。いくらとかたらこ、白子(精子)など、生命のもとがたくさん集まっているものを食べると上がるんです。痛風発作は、これらの命のもとのしっぺ返しだと思っていました。

ところが、しっぺ返しは心臓にまで影響していたわけで、根が深かったわけです。閉経前の女性は尿酸が上がることはほぼないそうです。閉経後は男性と同様に上がるそうです。なので、若い女性で尿酸が高ければ、かなり異常事態です。

おしっこをアルカリにしておかないと、尿管結石もできます。尿管結石になったことがある人は、どれだけつらい痛みか知っています。アルカリにするには野菜をしっかり取ることです。野菜は、腸の中の掃除もしてくれますし、おしっこの掃除もしてくれるわけです。

尿酸

高尿酸血症の死因の第1位はなんと心血管死亡なんですよ!