高血糖と低血糖のひらいクリニック

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ひらいクリニック

   外科OGTT脂質異常症甲状腺消化器総合診療科

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化粧品の製造にかかわることにしました

Posted on: 土曜日, 5月 21st, 2011 in: クリニックより

 友人が、化粧品の製造販売を試みています。世に出回っている間がいものに対抗するために、いいものを少量だけ売っていこうというものです。私も、昔から化粧品には疑問を持っていたので、協力してほしいという話は、大歓迎でした。

 彼の作るものは、精度のいい油を使っているので、皮膚への浸透もいいんです。アロマを混ぜているので、保湿効果などいろんな効果もあります。アトピーや、皮膚の荒れについては、昔から意見を持っています。油分とともに水分の補給、薬より普段からのメンテナンスが大事です。

 親友は、脱ステロイドを唱えています。歯科医なので、金属アレルギーを専門にやっています。彼からも、昔からアレルギー疾患を扱っていかないかと言われています。歯科との連携はイメージできないので、ほったらかしにしていますが、医学の分野では、アレルギー疾患は早くから扱ってきました。

 皮膚とういうのは、からだの防護服のようなものです。これがなければ、雑菌が簡単に入ってしまい、生きていくことすらできません。救命救急の時に、広範囲の熱傷の患者さんを見ていましたが、本当に悲惨なものです。皮膚がないために、からだからは体液が大量にしみだして、どうしようもないんですよ。広い範囲に熱傷を受けると命もつなげられません。それぐらい皮膚というのは大事なのです。

 清潔好きの日本人は、なんでも拭いてきました。そのせいで、アトピーが増えました。雑菌を嫌う日本人は何でも消毒してきました。そのせいで、o-157や耐性菌が増えています。抗生物質の使い過ぎが、とんでもない環境を作り出しています。水っぱなを垂らした小学生が走り回っていた日本。そんな日本に戻したいですね。。。

親知らずを抜きました

Posted on: 金曜日, 5月 20th, 2011 in: クリニックより

 最近、親知らずを抜いたんですが、それで初めて知ったことがあります。親知らずという言葉は、親が知らない間に生えるためついていると思っていたのですが、乳歯という親がいないという意味もあるようです。通常は、乳歯が抜けた後に生えるものだからだそうです。

 親知らずがなぜあるのか?歯医者さんは、将来のためを思って残そうとします。でも、あまり使われない歯なんですよね。私の場合も、下に歯がないので、ずっと宙ぶらりんになっていたのです。他にも使われないのに残っているものがあります。尾骨です。しっぽがあった後だと言われますが、尻もちをつくと本当に痛いですよね。。。

 人間にもしっぽがあったのなら、やっぱり犬や猫と一緒だったのかなと思います。本当は猿だったのだと思いますが、わたしは、犬や猫のほうが嬉しいですね。。。何かの表現にしっぽを使う姿は本当にかわいいです。

 人間にもしっぽがあったのなら、表現方法は一つ減ったということになりますよね。うれしいこと、いやなこと、そういったことはしっぽのほうが表現しやすいでしょうから。。。

 しっぽの代わりに、人には目で表現する方法が生まれたのだと思います。外科の世界では、マスクをしているので、目で表現することが多いです。言葉にすることなく、”間違いない、いけ!”などと、目で表現するのです。いろんな人に、マスクをしてかがみで練習するように話しています。人はマスクをしていなくても、相手の目を見ています。案外目以外は見ていないものなのです。それがわかったら、とっても気が楽になることもあります。

 一度、マスクをしてかがみに向かってみてください。目だけで、笑ったり怒ったり悲しんだり。いろんな表情が作れますよ。

げっぷが出ない人は調べたほうがいいかもしれません

Posted on: 木曜日, 5月 19th, 2011 in: クリニックより

 げっぷが出ない人は、反応性低血糖を起こしている可能性があるかもしれません。反応性低血糖という病態は、胃からの排泄が早くて、インシュリン分泌が間に合わないものです。胃全摘をした人と同じ状態なのです。胃があるのに、胃がないのと同じだというのは不思議なことだと話していると、婦人科の先生から、新生児と同じですねと言われました。新生児の胃は筒状だそうです。

 胃には空気がたまる部分が上にあります。上なのに胃底部といいます。そこにある程度空気がたまるとげっぷとして排泄されます。ところが、反応性低血糖の人は流れるのが早いので、げっぷも流れてしまうのだと思います。その影響で、夕方にかけておなかが張ってくるかもしれません。ガスが出したいのに出せない状態も、こういったことで起こっているかもしれません。

 昨日参加した勉強会でも面白いことを知りました。ストレスがかかると正常の人でもご飯を食べた後のように血糖値が上がること。24時間血圧を同時に測ると、血糖値が下がると血圧が上がってくること。

 人の体は、連動して動いています。何かが単独で動くことはないので、当たり前ですよね。ストレスがかかると脳を活発に動かして、何とかストレスから抜ける策を考えようと、血糖が上がるのかもしれません。その時の血糖は肝臓から放出されるのでしょうか?何かの形に変えて貯蔵してあるはずですからね。。

 人の体には、まだまだ分かっていない部分があります。それを考えてみるのも面白いかもしれません。

変更手続き。。。。。

Posted on: 水曜日, 5月 18th, 2011 in: クリニックより

 診療時間の変更があったので、変更手続きをしました。婦人科の標榜もとり、非常勤医師も登録しておこうと手続きに行ったのですが。。。。

 近畿厚生局は、非常勤医師の医師免許のコピーだけで受理したのですが、保健所が受理しません。医師免許の原本確認が必要だというのです。ふたりの非常勤の先生は、月1回くらい来る予定なので、本人と会うことも難しく、コピーを送ってもらうことも大変でした。非常勤でいろんな病院に勤めたことがありますが、原本を求められることは、たまーーーーにあっても、ほとんど経験したことはありません。ましてや、月一回当直に行くような病院では、コピーすら求められたことがありません。

 私たち医者が、医者を雇う時に医師免許を確認することはほぼ皆無です。誰かからの紹介である場合がほとんどなので、疑う余地もないわけです。ましてや、会話をしていれば、医者かどうかはわかります。そのうち、出身大学や、研修先の話になり、共通の友人も出てきます。医者の世界は狭いので、必ずそういった話が出てくるのです。

 厚労省は、原本確認は努力義務だと言っています。当然、クリニックを開設する際は、開設者である私の原本は持っていっています。国が努力義務だと言っていることを保健所は10日以内に確認と決まってるといいはるのだからおかしな話です。近畿厚生局では、コピーで受理してくれましたよというと、近畿厚生局は別だ、こっちは大阪府で決まっているんだといいます。でも、近畿厚生局は、厚労省が近畿に来ているだけで、実際は厚労省なんですけどね。。。

 保健所で原本確認の理由を聞きました。医者かどうか確認するためだと。偽医者じゃないかどうかだそうです。それなら、どうやって偽造ではないとわかるんですかと聞きました。見ればわかるというので、どこを見たらわかるんですかと聞きました。お札なら、透かしとかありますが、医師免許にはそういったものはありません。筆跡でわかるといいました。それなら、なおのこと偽造できますよね。

 医者には身分証明書がありません。医師免許は、かなり大きいものなので、身分証明書として持ち歩くわけにいきません。何年か前にやっと日本医師会が写真入りの身分証明書を作りましたが、国が作ったものではないので、まだ認知もされていないし、医師免許の代用として使えるわけでもありません。

 ところで、わたしが平井今日子だとどうしてわかるのですかと保健所で聞きました。先生が名乗ったからだと言われました。でも、免許証などの本人確認もされてないし、医者だという確認もされておらず、名刺も渡していません。平井今日子を名乗って、別の人物が来ていたらどうするんでしょうね。開設の時に私の原本確認しているから、本人確認は済んでると言われました。医師免許には写真は載ってないし、開設の時はコンサルタントのおじさんが持って行っただけで、私は持っていっていないのですよ。。。

 医者は複数の仕事を抱え、夜まで仕事をしています。うちの非常勤の先生方もからだが空いたら来るという契約ですし、それも週末に限っています。医師免許の原本確認は、通常施設の事務長などが代理で持っていってくれます。本人が病院を離れるわけにいかないからです。でも、原本を持って来いと言われることもうっとうしいことです。医師免許は大切なものだからといわれるので、通常は家の金庫などに保管されています。金庫を開けて、大きな紙を運んで行って、終わったらまた持って帰って金庫に入れないとなりません。

 こんな紙切れがなぜそんなに重要なのかとよく思います。医師免許には、医籍登録日と医籍登録番号が書かれています。それさえわかっていれば、紛失しても再発行してもらえるそうです。実際結婚して名字が変わった時、再発行され、当時の厚労省の大臣の名前に変わりました。後輩の女医たちは、大臣が気に入らないとその人の名前が書かれることを嫌がり名字が変わってもすぐに変更手続きをしなかったものです。そんなことでいいのかなと思いますが、医師免許の提出を求められることが何年かに一回なので、構わないのかもしれません。

 今回、保健所への非常勤登録は断念しました。近畿厚生局には届けたので、保険診療には影響はないと考えたからです。それに、月曜から金曜まで、9時から5時までしか働いてない人に、24時間365日医者として忙しくしている人間にこれ以上偉そうなことは言われたくないからです。最後に担当者に聞きました。電気屋さんに行ってドライヤーを買おうとした時、店員に売ってやるという態度を取られたらどう思いますか?と。。。顧客側に立てばわかる話です。私たちは、税金というお金を大阪府にも支払っています。保健所側にとったら、顧客のはずですよね。保健所の職員は私たちの税金で給料をもらっているのですから。顧客である府民に横柄な態度をとれる保健所の姿勢のほうが私には疑問です。

 本人確認、個人情報などは医療の世界ではかなり厳しいもので、患者さんの情報の問い合わせが警察から来たとしても、電話では一切答えません。警察に来させて、身分証明を確認して、どこのどの部署のだれかを記録したうえでしか話しません。たとえ患者さんが急になくなったとして、その原因を調べるために警察が動いていようがそうします。だって、亡くなったかどうかも私は確認していませんから、よからぬことに使われたら大変ですからね。。。

 医療の世界にはまだまだおかしなことがたくさんあります。近畿厚生局と保健所への提出書類の中身はほとんど同じような内容なのに、2カ所に届を出しに行かないとならないし、一方が受理しても、もう一方が受理しないなどおかしなことだらけです。最初の開設は保健所、そのあとで保険診療施設の認可は近畿厚生局、そんな段取りになってるから、おかしくなってくるんだと思います。保険診療の認可を受ければ、後は近畿厚生局だけで処理をすればいい話で、保健所は自費診療施設だけ監視していればいいだけの話です。

 こういったことも、どんどん訴えていこうと思います。二度と私と同じ不快な思いをする医者を作りたくないからです。

繁昌亭に行ってきました

Posted on: 火曜日, 5月 17th, 2011 in: クリニックより

 近くにあるので、一度行こうと思いながらなかなかいけなかったのですが、昨日は午後が空いたので、行ってみました。昼の部の後半だけだと2500円の入場料が1500円になるようでお得でした。寄席は、見たことがなかったので、すぐに飽きるかなと思いきや、4人の演者の話は時間が過ぎるにしたがって盛り上がっていったので、最後まで飽きることなく見ることができました。

 寄席に出てくる古い話は好きですね。何かに批判的な意見を話しているのでしょうが、それを面白くおかしくやるのです。江戸の昔から、役人にいいたいけど言えなかったことがよくわかります。日本は、恥の文化なので、デモなど派手な反対運動はしないものです。その代わり、寄席などで大っぴらに反対意見を述べていたのでしょうね。お役人もそれを見に来て、苦笑していたのではないでしょうか?

 昨日は、それ以外にも2本映画を見ました。キャスパーという映画とペンギンが踊る映画です。どちらも、常識を覆す内容だし、あきらめないというメッセージが根底にあると思います。映画は昔から好きです。映画の裏に流れているメッセージが何か考えるのが好きなのでしょうね。音楽もそうです、言いたいことを裏に流しています。特に、黒人音楽は人種差別の中で生まれてきたもので、考えさせられるものが多いと思います。

 ペンギンの映画では、集団の怖さも表現されていました。でも、その中で一人が言いだしたことでわかいペンギンたちが動き出し、その動きが次第に広まっていく姿は感動します。ひとりでも、あきらめずに主張していけば、波はきっと伝わっていくのでしょう。今日もい一日になるといいですね。

産婦人科の事情がかなり変わってきているようです

Posted on: 月曜日, 5月 16th, 2011 in: クリニックより

 婦人科検診の応援をある施設にお願いしてみました。しかし、人手不足は深刻で、人を出せる余裕は全くないとの回答でした。そういった事情からでしょうが、アルバイトも相場の倍の値段に跳ね上がっているようです。しかし、そんな高額では、検診施設の経営が成り立ちません。

 産婦人科の医者を増やすために、保険診療を上げてもらうことも試みているようです。でも、保険診療が上がったからと言って、産婦人科の医者が増えるとは思いません。今の日本では、訴えられることを恐れて、科を選んでいる傾向があると思います。産婦人科からは、不妊治療のみに転向する医者が続出しています。不妊治療の現場では、妊娠しなかったと言って訴えられることはないからでしょう。でも、妊娠したら、自分が捨ててきた産婦人科の医者に任せるわけで、ある意味責任がかからない部分だけする無責任な行動だなと感じます。

 私の知り合いも、体外受精で子供を授かりましたが、流産の危険が何度も起き、長く病院で安静にする生活をしていました。流産になるのにも、何らかの意味があるはずです。子供のほうに原因があるかもしれないし、母体のほうに原因があるかもしれません。それを無視して、出産まで持ち込むことは、私は賛成ではありません。

 産婦人科のアルバイト料が高くなっていることも、今に始まったことではありません。保険の改正のたびに、何かが不足して、その分野の料金が跳ね上がってきました。しかし、その反動で、次にはまた別の分野に移り、跳ね上がった分野の料金は、普通に戻ります。しかし、行ったん料金が跳ね上がった分野の人は、それが当たり前と思うので、あまりいい傾向だとは思いません。

 どの分野も、一生懸命仕事をしているのです。いい仕事をした評価として高い給料がいただけるならともかく、人が不足しているからと高い給料を支払うのであれば、どんどん質は下がっていくと思いませんか?

 ある医学部の入学試験の競争率が30倍だったそうです。私が受験した時で、10倍ぐらいでしたのですごく狭い門になっています。一時は、医学部は人気がなくなり、理工学部のほうが競争率が高くなっていました。そのころは、3倍だったと思います。でも、その頃のほうが本当に医者を志す人が多かったように思います。競争率が高いということは、医者という職業に憧れる人が増えているということだと思うからです。 

 医療は収入が確保されているから、かたい職業だと言われています。そうでしょうか?

 私は、25年間医療の現場にいて、これほど不安定な職種はないと感じています。実際、働けないようになれば、一円も入らない世界です。看護師もそうですが、自分の腕と知識で働いているので、自分が倒れたら終わりなんですよ。そういうことがわかりだしたので、会社を起業しました。会社というのは、業務さえ安定すれば、自動的にお金を作りだします。私の父は会社を作りましたが、彼の死後も、今でも会社は存続しているのです。

 医者と弁護士は、高学歴高収入と言われますが、弁護士も何人も知っていますが、決してそうとは思いません。みな、良心的にやっていると高収入とは程遠いのです。

 産婦人科が訴えられることが多くなり医者不足に陥っているのは、産婦人科の医者の説明不足が根底にあったと思います。出産で毎年何人なくなっているのか、死産になってしまう確率がどれだけあるのかをしっかり明示すれば、どれだけ大変な作業なのかがわかると思います。一時、ホテルのようなおもてなしをして、出産を一大イベントのようにしてきたことが今の医者不足につながっているのではないでしょうか?

 どんな些細なことでも、医者は命を預かっています。びっくりするような些細なことが、死につながることもあるのです。一瞬の判断ミス、それが不安で日々診療内容も、思い出しては整理していっています。そう考えると、開業医といえど24時間体制で、頭を動かしているわけで、救急の現場とそう変わらないと思います。

 クローズアップされる現場がある一方で、クローズアップされないまま崩壊が止まらない現場があることを知ってください。出産は、助産婦が代行できます。医者以外が代行できない分野があり、すでに3年前に10年後には崩壊すると学会が発表している現場があります。私も、そう思います。

 それは、外科の現場です。早く、それに気づいてほしいと思っています。

思わぬ人と再会できそうです

Posted on: 日曜日, 5月 15th, 2011 in: クリニックより

 東京で、レーザークリニックをされていて、大阪に支店を出したいと10年以上前に相談されたことがあります。当時、開設者にはなれなかったので、開設者は後輩に任せて、3人の女医でレーザー脱毛のクリニックを立ち上げたのです。3人とも、違う分野だったので、師匠から一生懸命に習いました。経営のこともアドバイスがあり、いろんなことを教えていただいたのです。

 一方で、医者が不足すると私に頼ってくれたので、私のほうもいろんな手配をしました。大阪のクリニックは、3年ほどで閉鎖されました。レーザー脱毛のクリニックが乱立しだしたからです。最初から、そう聞いていたので、不思議に思うこともありませんでした。儲かったらさっさと引き上げる。それは理にかなっていました。

 その後、レーザー脱毛の技術は持っていますが、器械が高いので、やることはなくなりましたけどね。。。ほくろ取り、シミ取り、二重のプチ手術もすべてその先生から学びました。1年近く前だったと思います。東京に行く用事があったので、会いに行ったんです。でも、彼は事業を縮小させる話をしていました。君は、まだ10年ある。僕は、もう60になったから先がないんだよと。10年頑張れとかなり叱咤激励されました。

 別れ際に、いつも言ってくれる言葉がなかったんです。また、東京に来ることがあったら連絡してくださいという言葉です。たぶん、韓国に帰ってしまうんだろうなあと思っていました。その後、連絡することもなく、二度と会うこともないんだろうと思っていました。ところが、おととい電話があったんです。銀座に移って、小さいところでやってると。。。Zクリニックという名前ではなかったので、やはり事業は終わらせたようです。でも、また再び会えると思ったら、とってもハッピーになりました。

 昨日も、遠方から思わぬ訪問者があり、本当にびっくりしました。二度と連絡は取れないだろうと思っていた人なので、本当に再会を喜びました。最後に連絡先を教えてくれて、何かあったらいつでも連絡してくださいと言ってくださいました。たくさんの人に支えられている、そう思います。みんな何も言わないでも、心配してくれていたんだと思いました。ひとりじゃない。そんな素敵な気分になれましたよ。

やっと一人前になりました

Posted on: 金曜日, 5月 13th, 2011 in: クリニックより

 クリニックをオープンして半年ぐらいの時期に、個別指導というものがあります。2年ほど前からできた制度ですが、近畿厚生局が中心になり、大阪府の担当官と、医者の3人に診療内容をチェックされ、指導を受けるものです。昔、個別指導というのは、あくどいことをしている医療機関だけに行われていたので、開業医にとっては、なぜ新規開業に対して行うのか疑問の制度です。

 逆に、近畿厚生局の立場に立って考えると、最初にちゃんと指導していれば、あくどい件数が減ると思うのでしょうね。でも、あくどいと言っても、個別指導の呼び出しは、診療報酬の平均点から算出され、以前は上位5%、今はもっと幅が広がっていますが平均点から飛び出た医療機関を呼ぶという、かなりアナログな仕組みです。

 診療報酬というのは、手術や高度先進医療をすれば当然高いものになります。一方で、昔からある検査や薬などは、安くされているので、それだけ行えばかなり低いものになります。医療の質を点数だけで判断するという手法は、まったくもって論外だと思います。

 うちのクリニックでは、昭和初期の医療に戻そうというコンセプトに基づいてやっているので、当然診療報酬はかなり低い点数になります。カルテの記載も、私がいた近畿大学の第一外科は、かなりうるさく指導されていましたので、抜けることもありません。保険請求の妥当性についても、かなりうるさい医局でしたからね。。。

 個別指導では、重箱の隅をつつくようにあらを探すと言われていて、あらを見つけたら、ぼろっかすにいわれると聞いていました。ひどい言われ方をしても、絶対逆らったらだめだよと、友人たちからもかなり言われていました。彼らの仕事は、注意して指導することだから、なんでもいちゃもんをつけてくるからねと。。。でも、逆らうと保険診療施設の認可を取り消されるのかもしれません。たぶんそうですね。。。。でも、わたしは、おかしいことはおかしいと主張してくると言っていました。もし、それで保険診療を取り消されるのであれば、その内容も、すべて患者さんに公開すれば、皆納得してくれるだろうと思っていました。

 当日は、本当に和やかに進んで行きました。大阪府の担当官から、電子カルテについて、少し嫌みを言われましたが、紙でも災害が起これば同じことでしょうと切り返してやりました。近畿厚生局からも、診療時間内に電子カルテの入力ができているのかと(たぶんできていないから、後で修正などしてるんだろうという態度でした)聞かれましたが、ブラインドタッチなので、当たり前ですといいました。ドクターからも、大腸がんの見逃しはないのかと聞かれましたが、最初からうちは大腸がんは扱ってないと明示していること、見逃しの多くは、患者さん側にも責任があるといいました。痔だからと薬だけでいいと放置している場合に多いからです。

 その後、なにも指摘するような内容はありませんと言われ、時間が余ったので何か質問はないですかと聞かれました。質問はありませんが、言いたいことは山ほどありますと言って、言いたい放題言ってきました。保険証がなぜバーコード化されていなくて、アナログ入力をさせられているのか、肛門科が安すぎるから、肛門科が増えないこと、女性の疾患を3つの科に分けているのがおかしい、女性科として一つにまとめるべきでしょう、今までの医療は、男目線で作られている、私は女性の視点に立って変えていっていますと。。。。

 終了のあいさつが終わった後で、担当官のお医者さんが、名刺をくれました。私の考えにとても共感してくださったようです。女医さんだったのですよ。近畿厚生局の担当者も女性でした。女性だから分かってもらえた部分も多かったのだと思います。

 今回の指導に協力していただいた、保険医協会に簡単な報告を送ったところ、新規開業の保健指導は、怒られに行くのではないのだから、私のように意見を言っていいのだと言われました。

 しかし、新規開業の医者がなぜひどく怒られないとならないのか、それがおかしいですよね。借金して、新しいスタッフを雇ってひとりっきりで開業するのですよ。半年間はがむしゃらに走っていますよ。経営のことも、開業して初めて知ります。小さい開業医にどうやったら患者さんが来てくれるのか、本当に悩むと思います。開業を決めてから早くて半年で開業して、がむしゃらに過ごす半年が過ぎてひどい叱責を受けるというシステムは、他の業種にはありませんよね。

 理由は一つです。大学病院含めて、教育機関がちゃんと保険診療の教育を行っていないからです。教育機関でちゃんと教育されていれば、開業した時に指摘されることはないはずです。私が育った医局は、書類作成、カルテ作成、保険請求にかなりうるさく指導をしていました。若いころのそういった経験が、のちに一人になってもちゃんとした方法をしてこれたのだと思います。

 国にいいたいのは一言です。開業医など弱者をいじめる前に、それを輩出してきた教育機関を徹底的に指導すべきだということです。近畿厚生局にいくつかの問題点を持ち込んだ時も言われました。相手が大きいから無理ですと。。。。はあ?って思いますよね。完全に弱い者いじめなんですよ。おかしいと思ったら、必ず声をあげていきましょうよ。近畿厚生局は、民間の方の医療に対する不満を聞く場所なんです。みんなで、文句を言いに行きましょうよ。

自分の体で実験中。。。。

Posted on: 木曜日, 5月 12th, 2011 in: クリニックより

 反応性低血糖症という持病があり、治療法がなく困っていたのですが、最近出たインクレチンという消化管ホルモンを注射で補充する実験をしています。インシュリンの初期分泌が遅れているだけなので、理論的には効果があるはずなのです。

 反応性低血糖症というのは、糖尿病関連の資料を見ると糖尿病のごく初期の状態と明示されています。しかし、そうではないと思っています。2型糖尿病は、インシュリンの使い過ぎで陥る状態ですが、インシュリンは普通どうりしか使っていないので、それがごく初期の状態とは思えません。実際、1年で10Kg太って、2型糖尿病になる直前の方の糖負荷試験を見ると、大量にインシュリンを出して、血糖値は正常の人と同じ動きをしています。それとは、どう考えても病態が違うんです。

 先日も、循環器が専門の先生に、TSH高値が持続すると心臓機能に影響が出るという報告を送り、どう思うか聞いてみました。先生は、その報告は知らなかったようで、貴重な情報をありがとうございますと言われてしまいました。確かに、TSHが高い人を扱うのは、内分泌内科になるのでそういった患者さんが少ないのだと思います。でも、専門の先生が専門分野のすべての情報を持っているとは限らないことがわかりました。

 血糖値の変動が、精神的な部分に大きく関与しているという報告もあります。そうなると、内分泌内科と精神科のコンビネーションが必要ですよね。しかし、精神科というのは特殊分野で、病院も単科病院しかないのが現状です。以前、血糖とのかかわりを調べたいので連携してほしいと友人に話しましたが、あまり興味がないようでした。

 からだは連動して動いています。何かの不具合があれば、連鎖反応的に悪循環に入ります。でも、その一部を切るだけで、あっさり悪循環から抜けるのも確かです。

 クリニックでは、血糖といろんなことがどうかかわっているのか調べています。スタッフ総出で、自ら実験台になってくれています。今わかってきたことは、血糖の吸収を遅らせるというたぐいの薬が、高血糖の予防にはならないこと。ある種の食事療法が血糖変動にはいい効果は出していないこと、低GI食品は、血糖値の上昇を緩やかにしていることなどでしょうか?血糖値を下げるお茶なども試してみたいと思っています。

 みなさんも、自分を実験台にしてみませんか?普段何気なく感じていることが、数字に出るととても面白いと思いますよ。

学会と研究会の違い

Posted on: 水曜日, 5月 11th, 2011 in: クリニックより

 今まで、いろんな学会や研究会に参加してきました。多くの学会は、最初は小さな研究会でした。全国レベルの研究会になっても、発表の会場は一カ所で、アットホームでした。でも、研究会なら、サークルと同じ、学会にしないとものが言えないとどんどん変わってきました。

 学会になると、発表の会場はたくさんに分かれ、ポスターを張るだけの発表会場も増えます。研究してる内容が多岐にわたり、それまで主流だった人たちがいつの間にか端っこのほうに追いやられます。過去のことは全く評価されず、今頑張ってる人だけの場所に変わっていきます。

 名前が変わっただけで、なぜこうも変わるのでしょうか?学会になると、政治力が入るんだと思います。お金もたくさん動いて、それで余計に人が集まってきます。

 でも、今再び、研究会が頑張っていると思います。特に、ジャンルを問わず集まっている日本女性骨盤底医学会は、頑張っていると思います。それぞれの分野では、主張が通らなかった人が集まっている気がします。逆に、そういった場所こそ活発に意見が出されている気がします。

 世の流れは、大型チェーン店から、個人商店に変わってきていると思います。医学の分野でも同じことが起こっていると思います。かたちを重視する場所より、人の情熱が集まる場所のほうが、いい意見も集まると思います。

 会議も10人以下が有意義だと話す人がいます。それ以上集まると、相手の顔がわからないので、誰が言ったかも記憶に残らないからでしょう。顔が記憶に残るとわかれば、あいまいな発言はしなくなるんだと思います。クリニックで考えている勉強会も、10人くらいと考えています。過去の勉強会もそれぐらいの人数だと、びっくりするような意見が出てきます。大きな会場では味わえない人間味のある集まりができていると思います。