高血糖と低血糖のひらいクリニック

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ひらいクリニック

   外科OGTT脂質異常症甲状腺消化器総合診療科

やっと一人前になりました

 クリニックをオープンして半年ぐらいの時期に、個別指導というものがあります。2年ほど前からできた制度ですが、近畿厚生局が中心になり、大阪府の担当官と、医者の3人に診療内容をチェックされ、指導を受けるものです。昔、個別指導というのは、あくどいことをしている医療機関だけに行われていたので、開業医にとっては、なぜ新規開業に対して行うのか疑問の制度です。

 逆に、近畿厚生局の立場に立って考えると、最初にちゃんと指導していれば、あくどい件数が減ると思うのでしょうね。でも、あくどいと言っても、個別指導の呼び出しは、診療報酬の平均点から算出され、以前は上位5%、今はもっと幅が広がっていますが平均点から飛び出た医療機関を呼ぶという、かなりアナログな仕組みです。

 診療報酬というのは、手術や高度先進医療をすれば当然高いものになります。一方で、昔からある検査や薬などは、安くされているので、それだけ行えばかなり低いものになります。医療の質を点数だけで判断するという手法は、まったくもって論外だと思います。

 うちのクリニックでは、昭和初期の医療に戻そうというコンセプトに基づいてやっているので、当然診療報酬はかなり低い点数になります。カルテの記載も、私がいた近畿大学の第一外科は、かなりうるさく指導されていましたので、抜けることもありません。保険請求の妥当性についても、かなりうるさい医局でしたからね。。。

 個別指導では、重箱の隅をつつくようにあらを探すと言われていて、あらを見つけたら、ぼろっかすにいわれると聞いていました。ひどい言われ方をしても、絶対逆らったらだめだよと、友人たちからもかなり言われていました。彼らの仕事は、注意して指導することだから、なんでもいちゃもんをつけてくるからねと。。。でも、逆らうと保険診療施設の認可を取り消されるのかもしれません。たぶんそうですね。。。。でも、わたしは、おかしいことはおかしいと主張してくると言っていました。もし、それで保険診療を取り消されるのであれば、その内容も、すべて患者さんに公開すれば、皆納得してくれるだろうと思っていました。

 当日は、本当に和やかに進んで行きました。大阪府の担当官から、電子カルテについて、少し嫌みを言われましたが、紙でも災害が起これば同じことでしょうと切り返してやりました。近畿厚生局からも、診療時間内に電子カルテの入力ができているのかと(たぶんできていないから、後で修正などしてるんだろうという態度でした)聞かれましたが、ブラインドタッチなので、当たり前ですといいました。ドクターからも、大腸がんの見逃しはないのかと聞かれましたが、最初からうちは大腸がんは扱ってないと明示していること、見逃しの多くは、患者さん側にも責任があるといいました。痔だからと薬だけでいいと放置している場合に多いからです。

 その後、なにも指摘するような内容はありませんと言われ、時間が余ったので何か質問はないですかと聞かれました。質問はありませんが、言いたいことは山ほどありますと言って、言いたい放題言ってきました。保険証がなぜバーコード化されていなくて、アナログ入力をさせられているのか、肛門科が安すぎるから、肛門科が増えないこと、女性の疾患を3つの科に分けているのがおかしい、女性科として一つにまとめるべきでしょう、今までの医療は、男目線で作られている、私は女性の視点に立って変えていっていますと。。。。

 終了のあいさつが終わった後で、担当官のお医者さんが、名刺をくれました。私の考えにとても共感してくださったようです。女医さんだったのですよ。近畿厚生局の担当者も女性でした。女性だから分かってもらえた部分も多かったのだと思います。

 今回の指導に協力していただいた、保険医協会に簡単な報告を送ったところ、新規開業の保健指導は、怒られに行くのではないのだから、私のように意見を言っていいのだと言われました。

 しかし、新規開業の医者がなぜひどく怒られないとならないのか、それがおかしいですよね。借金して、新しいスタッフを雇ってひとりっきりで開業するのですよ。半年間はがむしゃらに走っていますよ。経営のことも、開業して初めて知ります。小さい開業医にどうやったら患者さんが来てくれるのか、本当に悩むと思います。開業を決めてから早くて半年で開業して、がむしゃらに過ごす半年が過ぎてひどい叱責を受けるというシステムは、他の業種にはありませんよね。

 理由は一つです。大学病院含めて、教育機関がちゃんと保険診療の教育を行っていないからです。教育機関でちゃんと教育されていれば、開業した時に指摘されることはないはずです。私が育った医局は、書類作成、カルテ作成、保険請求にかなりうるさく指導をしていました。若いころのそういった経験が、のちに一人になってもちゃんとした方法をしてこれたのだと思います。

 国にいいたいのは一言です。開業医など弱者をいじめる前に、それを輩出してきた教育機関を徹底的に指導すべきだということです。近畿厚生局にいくつかの問題点を持ち込んだ時も言われました。相手が大きいから無理ですと。。。。はあ?って思いますよね。完全に弱い者いじめなんですよ。おかしいと思ったら、必ず声をあげていきましょうよ。近畿厚生局は、民間の方の医療に対する不満を聞く場所なんです。みんなで、文句を言いに行きましょうよ。

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