高血糖と低血糖のひらいクリニック

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ひらいクリニック

   外科OGTT脂質異常症甲状腺消化器総合診療科

産婦人科の事情がかなり変わってきているようです

 婦人科検診の応援をある施設にお願いしてみました。しかし、人手不足は深刻で、人を出せる余裕は全くないとの回答でした。そういった事情からでしょうが、アルバイトも相場の倍の値段に跳ね上がっているようです。しかし、そんな高額では、検診施設の経営が成り立ちません。

 産婦人科の医者を増やすために、保険診療を上げてもらうことも試みているようです。でも、保険診療が上がったからと言って、産婦人科の医者が増えるとは思いません。今の日本では、訴えられることを恐れて、科を選んでいる傾向があると思います。産婦人科からは、不妊治療のみに転向する医者が続出しています。不妊治療の現場では、妊娠しなかったと言って訴えられることはないからでしょう。でも、妊娠したら、自分が捨ててきた産婦人科の医者に任せるわけで、ある意味責任がかからない部分だけする無責任な行動だなと感じます。

 私の知り合いも、体外受精で子供を授かりましたが、流産の危険が何度も起き、長く病院で安静にする生活をしていました。流産になるのにも、何らかの意味があるはずです。子供のほうに原因があるかもしれないし、母体のほうに原因があるかもしれません。それを無視して、出産まで持ち込むことは、私は賛成ではありません。

 産婦人科のアルバイト料が高くなっていることも、今に始まったことではありません。保険の改正のたびに、何かが不足して、その分野の料金が跳ね上がってきました。しかし、その反動で、次にはまた別の分野に移り、跳ね上がった分野の料金は、普通に戻ります。しかし、行ったん料金が跳ね上がった分野の人は、それが当たり前と思うので、あまりいい傾向だとは思いません。

 どの分野も、一生懸命仕事をしているのです。いい仕事をした評価として高い給料がいただけるならともかく、人が不足しているからと高い給料を支払うのであれば、どんどん質は下がっていくと思いませんか?

 ある医学部の入学試験の競争率が30倍だったそうです。私が受験した時で、10倍ぐらいでしたのですごく狭い門になっています。一時は、医学部は人気がなくなり、理工学部のほうが競争率が高くなっていました。そのころは、3倍だったと思います。でも、その頃のほうが本当に医者を志す人が多かったように思います。競争率が高いということは、医者という職業に憧れる人が増えているということだと思うからです。 

 医療は収入が確保されているから、かたい職業だと言われています。そうでしょうか?

 私は、25年間医療の現場にいて、これほど不安定な職種はないと感じています。実際、働けないようになれば、一円も入らない世界です。看護師もそうですが、自分の腕と知識で働いているので、自分が倒れたら終わりなんですよ。そういうことがわかりだしたので、会社を起業しました。会社というのは、業務さえ安定すれば、自動的にお金を作りだします。私の父は会社を作りましたが、彼の死後も、今でも会社は存続しているのです。

 医者と弁護士は、高学歴高収入と言われますが、弁護士も何人も知っていますが、決してそうとは思いません。みな、良心的にやっていると高収入とは程遠いのです。

 産婦人科が訴えられることが多くなり医者不足に陥っているのは、産婦人科の医者の説明不足が根底にあったと思います。出産で毎年何人なくなっているのか、死産になってしまう確率がどれだけあるのかをしっかり明示すれば、どれだけ大変な作業なのかがわかると思います。一時、ホテルのようなおもてなしをして、出産を一大イベントのようにしてきたことが今の医者不足につながっているのではないでしょうか?

 どんな些細なことでも、医者は命を預かっています。びっくりするような些細なことが、死につながることもあるのです。一瞬の判断ミス、それが不安で日々診療内容も、思い出しては整理していっています。そう考えると、開業医といえど24時間体制で、頭を動かしているわけで、救急の現場とそう変わらないと思います。

 クローズアップされる現場がある一方で、クローズアップされないまま崩壊が止まらない現場があることを知ってください。出産は、助産婦が代行できます。医者以外が代行できない分野があり、すでに3年前に10年後には崩壊すると学会が発表している現場があります。私も、そう思います。

 それは、外科の現場です。早く、それに気づいてほしいと思っています。

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