重度の肝障害には使えないと言うこと
Posted on: 火曜日, 8月 19th, 2014 in: クリニックより重度の肝障害には使えないと書かれた添付文書。では、重度の肝障害ってどんな状態なのか?製薬会社に問い合わせようにも盆休みでどうにもなりませんでした。それで、やっと盆が開けて問い合わせしたら、ちんぷんかんぷんな回答でした。
肝機能というのはGOTとGPTの値で見ます。(今はASTとALTに表記が変っています)GOTは肝臓の細胞が壊れる数なので、この数字が高ければ肝臓の細胞がたくさん壊れていると言うことになります。ところが、つぶれる細胞がなくなったら、正常値になるんですよ。
劇症肝炎という病態の時は、ピークを過ぎればGOTは正常値になります。肝硬変でも壊れる細胞が減ってしまうと、正常値です。肝臓の余力はどこで見るかというと、コリンエステラーゼという検査になります。状況によって判断が異なってくるのです。
ある会社からの回答は、GOTとGPTが正常値以上であれば、重度の肝障害だと言ってきました。正常値を少し超えたぐらいが、何故重度の障害になるのでしょうか?私が調べていた薬は、肝臓で代謝されるので、肝機能がかなり関わってきます。
最終的には、代謝される時間が1.7倍という回答が来ました。言葉を換えれば、効き過ぎるかもしれないと言うことです。それなら、少量で良く効くので、ある意味好都合かもしれません。同系統の薬でほかの製薬会社への問い合わせの回答では、問題なしでした。
回答の簡略化、スピーディーさは現場にはかなり影響します。ややこしい数字や資料を送られても、現場で読んでる暇なんてありません。聞きたいのは使っても良いかどうかなのに、返答に時間がかかると前に進めなくなるわけです。
とりあえず、使える薬はわかりましたので、今日早速処方しようと思います。