高血糖と低血糖のひらいクリニック

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ひらいクリニック

   外科OGTT脂質異常症甲状腺消化器総合診療科

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脂肪腫のご相談がありました

Posted on: 金曜日, 11月 26th, 2010 in: クリニックより

 背中に10年前から、脂肪腫があると相談されました。脂肪腫は良性腫瘍ですが、徐々に大きくなることがあります。彼女の場合も、大きくなってきているようです。ただ、切除となると傷の問題があります。通常、腫瘍が取り出せる大きさの切開を加えないとなりませんが、それをなるべく小さくしようとすると、術者側の負担になります。手術時間も余計にかかってしまい、出血が多くなってしまうこともあります。

 でも、良性の腫瘍ですし、極力小さい傷で行う必要もあると思います。日帰りを希望されていますが、腫瘍が大きいために、局所麻酔で行う場合は、かなり多くの麻酔薬が必要になります。こういった場合、手術時間のことも考慮して、全身麻酔をお勧めする場合があります。長時間じっとしていられるかという問題があるからです。背中なので、うつ伏せで長い時間じっとしていなければなりません。局所麻酔の場合、周囲の感覚は残りますので、引っ張ったりすると痛みが出たり、気持ち悪く感じたりします。

 しかし、全身麻酔で、うつ伏せにするのは、リスクも上がります。全身麻酔の場合、痛みは全く感じないので、患者さんは楽ですが、良性腫瘍の手術で、リスクが上がるとなると、少し考えないとなりません。また、日帰り手術では難しくなります。しかし、傷口の安静を考えると1日入院してもらうほうが、医療側としては安心できます。日帰りであっても、翌日に創部の確認のために受診が必要になりますから。どっちにしても、2日は、医療機関をおとづれてもらわないとなりません。

 一番問題なのは、傷の問題です。医者側は取ったら終了と思いがちですが、患者さんが一番気にするのは傷が残るかどうかです。切除するためには必ず傷は残ります。でも、それをどう目立たなくするかは、切開をどう入れるか、後をどう縫うかにかかってきます。皮膚の縫い方というのは、いくつも種類があり、皮膚の状態、年齢、場所などにより変えます。切除より縫うほうに時間をかける先生のほうが、丁寧だと思います。

 病院の立地、休みが取れるかどうか、値段的な問題、いろんな問題があり、まだどうするか決めることはできませんでした。でも、相談するということは、かなり気になりだしているわけで、近いうちいい方法が決まると思います。

 良性だから、ほっといたらいいよ。そう医者は言います。それは正しいことですが、将来大きくなる可能性があるということ、場所によっては大きくなると何かと不具合が生じます。そういったことも含めて、お話していくべきでしょうね。良性腫瘍であっても、気になってるものは早めになんとかしたほうがいいと思っています。少し気になること、それが生活の中で、一番楽しさを邪魔することのように思います。

学会に行ってきました

Posted on: 木曜日, 11月 25th, 2010 in: クリニックより

  臨床外科学会に出席してきました。日曜日から開催され、火曜日の祝日までの3日間、横浜で行われました。通常医学会総会は、週末に行われることが多く、外来を週末にもっているドクターは参加しずらいものでした。今回の日程では、通常医療機関が忙しい月曜日が含まれていましたが、月曜日にも多くの先生が参加されていました。

 わたしが興味を持ったのは、外科医に必要な肛門の解剖の話でした。たった1時間の話しを聞くために、横浜に行ったのですが、友人と会う予定や、東京にしかないものを買いに行ったので、有意義な時間が過ごせました。

 また、演者の先生のお話は、とてもまとまっており1時間飽きることなく聞くことが出来ました。通常の学会では、研究の発表が多く、臨床にはすぐに応用できないものがほとんどなのですが、臨床外科学会というだけあって、すぐに臨床に応用できる内容でした。

 横浜で、面白いものも見つけました。コンビニで売っているワインのふたがそのままワイングラスになっているものです。ワインの瓶も、プラスティックなのですが、ふたをグラスにしてしまうのは、面白い発想だと思いました。

 また、スイカを使うと横浜から東京への特急券の購入がプラットホームでできて、電車に乗ってから、天井にかざすとランプが青に変わり、特急券の確認を省略できるシステムです。便利な機能なので、さっそくスイカも購入しました。

 東京には、新しいものがいち早く導入されるので、ときどき東京に出かけて情報集めをしています。東京がすべて正しいわけではありませんが、これから日本に普及するだろうことが、先取りでわかることはとても興味あることです。

 横浜で泊まったホテルも、お勧めでした。ロイヤルパークホテルの朝食は、地下にあるビッフェ形式のカフェがお勧めです。通常よくある、チーズや果物は全くなく、代わりに横浜の野菜料理が多く並んでいました。手作りの豆腐もあり、どれもおいしくいただけました。ご飯は用意されておらず、パンでこれらの料理を食べることになりますが、漬物サンドなどもあるように、特に違和感を持つものでもありません。

 診療の際、朝食をしっかり食べることで、便通がよくなるとお話ししているので、その話にぴったりなメニューだったと思います。昨日あった友人も、健康に気を使っている方で、夕食は野菜ぐらいにしているとおっしゃってました。確かに、寝る前の夕食で、高カロリーのものを食べても、からだにからだに蓄積されるだけなので、理にかなっていると思います。

 横浜の中華街は、別の方から観光化されすぎたことを聞いたので、今回横浜らしいところには出かけることはありませんでした。中華料理も、結局食べることはなく、友人の勧めで、ハンバーグのおいしい店に行きました。日本では珍しく、牛肉100%のハンバーグだったので、とても満足できました。海外のハンバーグは、合挽きミンチは使っていないと知っていましたか?わたしは、牛肉100%のハンバーグが好きなので、ぴったりだったわけです。

 勉強をしに行ったのですから、ご褒美でいろんなものも見てきました。勉強だけで行っても仕方ないですからね。。

おなかが張るということ

Posted on: 水曜日, 11月 24th, 2010 in: クリニックより

 女性に多いのですが、おなかが張ってしんどいという訴えをよく聞きます。病名にすると呑気症と言って、空気を飲みこんでいるというものになりますが、患者さんに説明するときには、”言いたいことを言えずに、言葉を飲み込んでいるから起るんです”と説明しています。女性は物事を荒げたくないため、言いたいことを言えずにいることが多いように思います。病状の説明にはなっていませんが、私のそういう説明に、納得される方が多いのも事実です。

 実際には、言えないことによるストレスから、胃腸が動かなくなってるわけです。身体というのは正直なので、ストレスがかかると、外敵と戦う準備をします。血液を脳や筋肉にたくさん送って、戦いに備えているのです。その際一番血液が少なくなるのが、胃腸です。胃腸は、リラックスしないと消化という作業をしないので、外敵と戦わないとならない環境では、動きを止めてしまいます。

 おなかが張るという症状の緩和のためには、言いたいことを言ってしまうことが一番のような気がします。言ってしまえばすっきりして、体がリラックスモードに入り、胃腸が動き出すと思います。

 からだというのは正直なものですし、人間の思うようには動きません。からだ自身が、自分のために良かれと思う方向に動かそうとします。それに逆らっても、逆効果なだけです。是非、からだが発しているメッセージを聞いてみてください。

男性の肛門疾患への対応

Posted on: 火曜日, 11月 23rd, 2010 in: クリニックより

 男性の肛門疾患への対応の準備ができました。年明けから、不定期に土曜日に青木先生(男性医師)が手伝ってくれるようになったからです。今まで、問い合わせのあった方には、久保こう門科を紹介してきました。保険診療でしてくれる施設です。当クリニックでは、若い女性を優先に診療をしていたこと、予約枠が非常に少ないことなどが理由でした。しかし、場所の問題、時間の問題から、どうしても当クリニックのほうが都合がよいという方もいらっしゃることもわかっていて、スタッフの増員に苦慮していました。

 何とか、年明けからは、対応できるようになりましたので、お気軽にご相談ください。いろんな病気に多少の男女差はあっても、基本的なことは同じですので、治療も同様になります。ただ、当クリニックでは、女性を優先させますので、その辺は、ご考慮お願いします。

銭湯が消えてきました

Posted on: 月曜日, 11月 22nd, 2010 in: クリニックより

 スーパー銭湯が増える一方で、地元に根差した銭湯が消えだしました。京都には、まだ多く残っているそうです。大阪でも、銭湯がまだ残っている地域がありましたが、なくなりだしました。銭湯は、近所の人の交流の場でした。顔見知りが、お互いを助け合いながら、情報交換もする、日本独特の交流の場でした。はだかの付き合い、そういう言葉は銭湯から来たのだと思います。 

 スーパー銭湯でも、地元の方が毎日行かれているようですが、昔ながらの銭湯の役割はできていない気がします。人の交流には、ある程度の狭さが必要です。広いスペースでは、人と人の間の距離が遠すぎて、交流を持ちにくいからです。そういったことも考えて、クリニックの勉強会も設定してきました。10人から20人が交流しやすい人数の限界だと思います。

 クリニックに来てくださった方は、広い待合にビックリされたと思います。完全予約制なので、その時間帯に来ているのは、一人か二人までです。それなのに、待合は、10名以上が座れるようになっているので、不思議に思われると思います。開業医がもうかるようにしようと思えば、待合から人があふれるくらいにしたほうがいいと言われます。患者はなるべく長く待たせるようにしたほうがいいともいわれます。そのほうが付加価値が上がるのでしょう。

 でも、私は外科医なので、診療も手早くやりますし、人を待たせることが大嫌いです。逆に、自分が患者で、医療機関をおとづれたとき、待たされるのは大嫌いです。人は、15分待つといらついてきます。30分が限界で、待たされる理由がわからなければ、30分を超えれば怒り出します。

 医療機関の予約は、あいまいです。時間どうりに行っても、見てもらえないことのほうが多いです。私は、そういうものは予約だと思わないので、クリニックでは、必ずその時間に診療が開始できるようにしています。予約時間に見れないのであれば、予約票という言葉を変えればいいと思います。たとえば、診療約束票というのはどうでしょうか?必ず診察はしますが、何時になるかわかりませんという意味です。。。

 約束は、人間同士で生活する中で、一番基本的なことです。それを守らなければ、何の信頼関係もできません。銭湯が良かったのは、約束をしていなくても、何時頃に行ったら、あそこのおばあちゃんに会えるとわかっていたことのような気がします。お風呂に入りに行くというより、人に会いに行っていた気がします。赤ん坊だった子供が、徐々に大きくなっていくのも観察できます。他人の子供なのに、自分の子供のように成長が楽しみになります。おばあちゃんが来ていなければ、心配して家を訪ねることもあったでしょう。そういった地域の大事な交流の場だった気がします。

 もう一度、そういう交流の場を作らないとならないと思い、クリニックにその役割を託しました。まだ、スタッフが揃っていないので、常時開けることができませんが、そのうち、人が揃ってくれば、用事がなくても立ち寄っていろんな話ができる場所にしようと思っています。待合の広さにはそういう意味があります。ミシンや懐かしいもの、若い人には初めて見る者も多いでしょう。それを年配の方が、親切に説明してくれるような、あったかい場所を想像しています。

OGTTという検査を知っていますか?

Posted on: 日曜日, 11月 21st, 2010 in: クリニックより

 糖負荷試験と言って、糖に対する血糖値とインシュリンの出具合を検査するものです。絶食で来ていただいて、4-5回の採血を2-3時間かけて行います。昔からある検査なのですが、最近はHbA1cという検査に置き換わってきていました。HbA1cは糖尿病の早期発見にも役立つといわれてきて、1回の採血ですむので手軽だったからでしょう。ところが、最近になって日本の検査結果が、国際基準より0.4低かったことがわかりました。ということは、海外なら糖尿病と診断されていた人も、日本で検査すれば正常と言われていたわけです。

 近い将来、検査値のほうが変更になるようですが、まだ日程も決まっていないようです。驚くことに、特定健診では、検査基準値を0.4下げていたので、すでにそれを実行していたのです。特定健診は、患者さんのデータ解析から、糖尿病になりやすい人をなる前に見つけるには、基準値をどう設定すればいいかという統計的な解析から数字が導かれました。統計というものがいかに大事なことなのかを物語っていますよね。

 OGTTという検査は、とても値打ちのある検査だったのですが、頻回に採血しないとならないことや、検査結果の判断の仕方が難しかったため、おざなりになってきたと思います。でも、この検査のおかげで、糖尿になる前に発見できた方もいますし、飢餓状態に陥ってることがわかった方もあります。何をどう食べているかは、本当は本人しかわかりません。でも、その食べ方が間違っていたかどうかは、OGTTでも判断がつくのです。

 最新の検査もとてもいいものができていますが、やはり古くからおこなわれている検査のほうが、奥深いと思います。当クリニックでは、24時間血糖の測定も行っています。不眠の原因、引きこもりの原因、疲れやすい原因も、血糖値の変動が影響していることがよくあります。自費での検査になりますが、体調不良のある方は受けてみる価値があると思います。

税理士の世界にもいろいろあるようです

Posted on: 土曜日, 11月 20th, 2010 in: クリニックより

 いままで、公認会計士、会計士、税理士など事あるごとにいろんな方と話をしました。おそらく10名近い方といろんなかかわりを持ってきたと思います。でも、知らないことが多かったです。税理士の世界にもいろいろあるようで、世間一般の常識とは違う習慣ももこっているようです。資格者の集団は、どの世界でも少数の集団だからでしょうか?小さいサークルの中で、お互いがうまくやっていけるようにするには、常識と違う常識が作られていくように思います。ここでも、横のつながりが必要だなと感じました。

 同じ職業の横のつながりは、ありそうに見えて余りありません。○○会というのも、表面上の付き合いだけのような気がします。職種が違うからと言って話が合わないこともありません。たとえ話にすれば、違う社会の話も理解できます。たとえ話に変えないと、理解しにくいかもしれませんが。。職種を超えての交流が必要だなと感じました。

 最近思ったのが、医療関係者という言葉です。どこまでを医療関係者と言うのか?病院内で働く人だけをさしてると思われがちですが、病院に材料や薬を搬入してる人も医療関係者ですよね。近畿厚生局でも、最近そういう話になりました。近畿厚生局の方は、案外医療のことをご存じありません。でも、”あなた方も医療関係者ですよね”という私の言葉に、そうですと言ってくれました。

 そう考えていくと、もう少し話は広がります。東洋医学や鍼灸をこのんで受診する人と、西洋医学をこのんで受診する人がいます。それ以外に、医者にはかからないと言ってる人もいます。どのタイプの医療を受けるかをみな選択しているわけです。それなら、病院を受診して、薬をもらう人も医療関係者じゃないでしょうか?医療というものを西洋医学に限定した場合の話ですが。。。

 柔整師や鍼灸師の治療に保険が効きます。私は、それは保険診療だと思っていました。ところが、西洋医学でできないことを柔整師や鍼灸師にまかしてみるだけのことで、あくまで西洋医学の補助だそうです。それなら、言い方がおかしいのじゃないですかと言いました。保険診療が受けられるのではなくて、保険補助診療と言えばまだ理解できます。だから、医者の許可書のようなものが必要なわけです。そのあたりのことを私も詳しく調べていたのですが、間違った解釈をしていたわけです。

 名前を付け間違ったために、解釈も間違うことが多くあります。日本語が、漢字を使う限り付きまとうことだと思います。漢字は便利なもので、見ただけで意味が理解できますが、その反面、使い方を間違うと、命名した人の意図が伝わりません。税理士も本来の仕事は、税金をたくさん納めてもらえるように企業の収入増に協力する人であって、税金をごまかすたくらみをする人ではありません。そういった間違った解釈がまだまだ存在するような気がします。

反応性低血糖症という病気

Posted on: 金曜日, 11月 19th, 2010 in: クリニックより

 この病気について、もう少し解明ができるかもしれません。金沢大学の消化器内科の金子先生が、血糖値を上げる肝臓のホルモンを発見されました。これによって、糖尿病と肝臓のかかわりもわかるかもしれません。私自身も、一時期体調を崩して、低たんぱく結晶になったことがあります。総タンパク値が5.5と低値になった時があります。正常下限が6.5普段は7.5ありましたので、異様に低かったのです。ところが、それ以外に異常がなかったので、検査値の間違いかなと思っていました。ところが、循環器をしている先輩が、ひどいストレスが、肝臓での代謝障害にもつながったのではないかと、おっしゃいました。その当時には、低血糖の発作があったので、何らかの代謝障害は、考えられたわけです。

 その後、精神科に勤める検査技師が、インシュリンショックのことを教えてくれました。精神状態の興奮をインシュリン注射で抑える時の話です。異常な低血糖を起こして、脳の海馬の機能を低下させるそうです。海馬は、考えをまとめるところだそうです。そこが停止すると多重に考えが流れ出し、脳の中で整理できなくなるそうです。そのため、興奮状態にある精神科患者に治療の一環として使われることがあったようです。おそらく現代はそんなことはしていないでしょうが。。。

 食後1時間の高血糖が心筋梗塞の誘発因子になることもわかり、24時間持続血糖測定装置もできました。血糖値とは面白いもので、ある程度の血糖値がなければ、震えを起こして、血糖値が高すぎれば、眠くなります。食事後に眠くなるのは、血糖値のせいでしょう。脳を動かすには、この血糖値が重要なので、朝はすみやかに血糖を上げるために、パンやご飯を食べます。ブドウ糖がキャンディー状になったものもあり、頭を使う仕事の時に補給すればいいと書いてあります。

 ただ、血糖値は、あげてばかりだと、インシュリンを使いすぎて、糖尿病になってしまいます。糖尿病になると常に血糖値が高い状態になりますが、体が慣れてしまうと、何も症状がなくなるようです。血糖値は500を超えると昏睡を起こします。それくらい、血糖値というのは脳への影響力が強いのです。

 私の病状は、先天的で遺伝性だと関電病院の清野先生に説明されています。年々悪化しているのは確かで、インシュリンが出ているのに、糖の吸収を抑える糖尿病の薬を飲んでいます。もし、金子先生がおっしゃるように、肝臓のホルモンも影響しているのであれば、極端な低たんぱくを起こしたことも納得がいきます。人間にはまだまだ解明されていない病気が多いのかもしれません。

 画像は、私自身の糖負荷試験の結果です。こういった持病を持ってる人は意外と多いかもしれません。私自身も、最近になるまで気付かなかったからです。医者でも自分の病気がわからなかったのですから、医者を信用してしまうのもどうかと思ってしまいます。

クリニックのコーヒーメーカー

Posted on: 木曜日, 11月 18th, 2010 in: クリニックより

 クリニックでは、スタッフ用の冷蔵庫もコーヒーメーカーも置いていません。冷蔵庫は、近くのコンビニ、コーヒーメーカーは、近くのミルポアというカフェにしています。カフェのマスターにはじめてそのことを伝えた時、笑いながら”ぜひそうしてください”とおっしゃっていただけました。ミルポアでは、イタリア製のマシーンで、特別な豆を使ってコーヒーを立てているそうです。バリスタという資格があるそうで、カフェオレを入れてもらうと、ミルクできれいな柄を作ってくれます。ところがこれが、人によっては葉っぱだったり、ハートマークだったり。。。

 そんなことも、話題にしながら、スタッフとコーヒーを飲んでいます。カフェには歩道にベンチが出ていますので、天気のいい日は、そこでホットドックなど食べて、今日は天気がいいねえと空を眺めています。カフェというのは、情報が集まる場所です。いろんな店の情報もそこで教えてもらえます。人が集まってきて、情報を置いて行くからです。最近は減ってきましたが、喫茶店がそういう役割をしていました。その場所によって、いろんな情報が集まります。チェーン店のカフェに押されて、そういう喫茶店も減ってきたのが残念ですが。。。。

 ところが、大阪はまだそういう喫茶店が多く残っています。東京は、ほとんど消えてカフェに置き換わってしまいましたけどね。。。大阪にもバリスタの学校があるそうです。腕のいいバリスタがいっぱい卒業しているのに、大阪では働く場所が少ないそうです。カフェより喫茶店のほうが多いからでしょうか?これからは、喫茶店でバリスタのような人が働けるといいかもしれませんね。

ペルシャ絨毯

Posted on: 水曜日, 11月 17th, 2010 in: クリニックより

 クリニックの待合の子供コーナーにペルシャ絨毯をひきました。ペルシャ絨毯を売っている友人がいるのですが、先週末まで近鉄百貨店で、展示即売会をしていたので、見に行ってきたのです。以前にも彼から一枚分けてもらったのですが、それよりも、絨毯の話を聞くのが楽しいのです。

 大きくは、綿と絹で織られたものに分かれるそうです。でも、その中でも、縦糸に綿を使って、絹で織ったもの、房があとから付けられたか、絨毯から出ているものなのか、伝統の柄が入っているかどうか、柄の細かさは、絨毯の裏側を見ればわかるとか、いろんな話が聞けます。

 ペルシャ絨毯というのは、手織りで作られています。でも、その精度はかなり高いようです。左右の幅が違っていればだめ、柄も左右できっちり合っていないとだめ、ものすごく細かい柄ですが、そういったちゃんとしたルールの上で作られています。大きいものなら、年単位の時間が必要なので、当然値段も高くなります。日本にも、西陣織がありました。京都の西陣織の会館をおとづれたとき、聞いてびっくりしました。日本の伝統は、もはや失われているそうです。京都で西陣織を織る方はもういなくなったと聞きました。着物は、リサイクルに出しても本当に安い値段でしか引き取ってもらえません。浴衣は、スーパーで帯付きで簡単に着られるように作られたものが、安く売られるようになりました。荒い梁という方法であらわれていた着物は、洗濯できるものに変わってきているようです。

 クリニックには、ミニチュアの着物を展示しています。あるご老人が、ちゃんとした着物の生地で、ちゃんとした縫製をして作ってくれたものです。まだ縫えるのに、頼んでくれる人がいなくなったと嘆いておられました。私は、着物は好きなので、少しですが持っています。母からのお下がりの着物と振袖が一番好きです。後は、留袖と喪服です。着物を着る機会も減っていますが、機会があればまた着てみたいなと思います。

 話がそれてしまいましたが、子供のコーナーに高価なペルシャ絨毯をひくことに意見した方もいます。でも、いいものを子供のころから知ってほしいと思い、そうすることにしました。高価なものだと思えば、汚すこともなくなるでしょう。安い絨毯が増え、汚しても買いかえればいいと思いだしたから、丁寧に使わなくなった気がしています。昔は絨毯は高価なものでした。客間の真ん中に一枚高価なものを引くぐらいが精一杯でした。そういった時代を思い出してほしい。そう思って、子供のコーナーだけに、ちょっと無理して引いてみました。もちろん、大人の方も靴を脱いで座っていただいて構いません。何か新しい発見があるかもしれません。