OGTTという検査を知っていますか?
糖負荷試験と言って、糖に対する血糖値とインシュリンの出具合を検査するものです。絶食で来ていただいて、4-5回の採血を2-3時間かけて行います。昔からある検査なのですが、最近はHbA1cという検査に置き換わってきていました。HbA1cは糖尿病の早期発見にも役立つといわれてきて、1回の採血ですむので手軽だったからでしょう。ところが、最近になって日本の検査結果が、国際基準より0.4低かったことがわかりました。ということは、海外なら糖尿病と診断されていた人も、日本で検査すれば正常と言われていたわけです。
近い将来、検査値のほうが変更になるようですが、まだ日程も決まっていないようです。驚くことに、特定健診では、検査基準値を0.4下げていたので、すでにそれを実行していたのです。特定健診は、患者さんのデータ解析から、糖尿病になりやすい人をなる前に見つけるには、基準値をどう設定すればいいかという統計的な解析から数字が導かれました。統計というものがいかに大事なことなのかを物語っていますよね。
OGTTという検査は、とても値打ちのある検査だったのですが、頻回に採血しないとならないことや、検査結果の判断の仕方が難しかったため、おざなりになってきたと思います。でも、この検査のおかげで、糖尿になる前に発見できた方もいますし、飢餓状態に陥ってることがわかった方もあります。何をどう食べているかは、本当は本人しかわかりません。でも、その食べ方が間違っていたかどうかは、OGTTでも判断がつくのです。
最新の検査もとてもいいものができていますが、やはり古くからおこなわれている検査のほうが、奥深いと思います。当クリニックでは、24時間血糖の測定も行っています。不眠の原因、引きこもりの原因、疲れやすい原因も、血糖値の変動が影響していることがよくあります。自費での検査になりますが、体調不良のある方は受けてみる価値があると思います。