ペルシャ絨毯
クリニックの待合の子供コーナーにペルシャ絨毯をひきました。ペルシャ絨毯を売っている友人がいるのですが、先週末まで近鉄百貨店で、展示即売会をしていたので、見に行ってきたのです。以前にも彼から一枚分けてもらったのですが、それよりも、絨毯の話を聞くのが楽しいのです。
大きくは、綿と絹で織られたものに分かれるそうです。でも、その中でも、縦糸に綿を使って、絹で織ったもの、房があとから付けられたか、絨毯から出ているものなのか、伝統の柄が入っているかどうか、柄の細かさは、絨毯の裏側を見ればわかるとか、いろんな話が聞けます。
ペルシャ絨毯というのは、手織りで作られています。でも、その精度はかなり高いようです。左右の幅が違っていればだめ、柄も左右できっちり合っていないとだめ、ものすごく細かい柄ですが、そういったちゃんとしたルールの上で作られています。大きいものなら、年単位の時間が必要なので、当然値段も高くなります。日本にも、西陣織がありました。京都の西陣織の会館をおとづれたとき、聞いてびっくりしました。日本の伝統は、もはや失われているそうです。京都で西陣織を織る方はもういなくなったと聞きました。着物は、リサイクルに出しても本当に安い値段でしか引き取ってもらえません。浴衣は、スーパーで帯付きで簡単に着られるように作られたものが、安く売られるようになりました。荒い梁という方法であらわれていた着物は、洗濯できるものに変わってきているようです。
クリニックには、ミニチュアの着物を展示しています。あるご老人が、ちゃんとした着物の生地で、ちゃんとした縫製をして作ってくれたものです。まだ縫えるのに、頼んでくれる人がいなくなったと嘆いておられました。私は、着物は好きなので、少しですが持っています。母からのお下がりの着物と振袖が一番好きです。後は、留袖と喪服です。着物を着る機会も減っていますが、機会があればまた着てみたいなと思います。
話がそれてしまいましたが、子供のコーナーに高価なペルシャ絨毯をひくことに意見した方もいます。でも、いいものを子供のころから知ってほしいと思い、そうすることにしました。高価なものだと思えば、汚すこともなくなるでしょう。安い絨毯が増え、汚しても買いかえればいいと思いだしたから、丁寧に使わなくなった気がしています。昔は絨毯は高価なものでした。客間の真ん中に一枚高価なものを引くぐらいが精一杯でした。そういった時代を思い出してほしい。そう思って、子供のコーナーだけに、ちょっと無理して引いてみました。もちろん、大人の方も靴を脱いで座っていただいて構いません。何か新しい発見があるかもしれません。