肛門科だと勘違いされている方が。。。
Posted on: 土曜日, 8月 20th, 2011 in: クリニックよりうちはレディースクリニックでもないし、肛門科でもありません。しいて言えば、内科です。肛門内科というのは存在しないものなのですが、肛門科とつけられなくなってしまったので、手術を中心にしていないという意味で、肛門内科としました。
もともと、消化器外科なので、本当は外科なのですが、開業医で外科ができるはずもありません。また、肛門外科とすれば、切られると勘違いして、怖がるだろうと思い肛門内科にしました。しかし、これにもかなり苦労したのです。肛門内科などないと、近畿厚生局にいわれましたから。。でも、肛門科単独ではなくて、内科か外科を必ずつけるように言ってるのは近畿厚生局、しいては厚労省のほうなんですよ。
先日、ある患者さんに脳神経内科に行きたいと言われました。その方は、別のかかりつけでも同じことをいったようで、精神科に紹介状を書かれていました。脳神経外科はあるけど、脳神経内科はないことを説明し、納得してもらったのですが、脳を見てほしいという希望から脳神経内科だと思ったようでした。
脳神経外科というのは、歴史は浅いそうです。手術が必要な脳疾患から始まっているのでしょう、脳神経内科というのは存在しないのです。でも、脳神経外科医は、診断もしますので、内科の役割もしています。でも、外科とついているために勘違いされてしまうのですね。
ある脳外科医が開業する際に、脳神経内科と申請したそうです。その時も、近畿厚生局から、そんなものないと突っぱねられたそうです。彼はやむなく、屋号の一部に脳神経内科と入れて、開業したそうです。近畿厚生局が、そんな科はないというのであれば、脳神経内科だと思ったら、何かに行けばいいのかも教えてくれるべきですよね。
日本は、開業医も専門性を問われて、専門は何かを申請しなければなりません。でも、開業医は、かかりつけ医であって、専門があるほうがおかしいのです。専門ばかり前に出すから、患者さんは自分は何かにかかるのか判断してからしか動けません。でも、本当は何かに行ったらいいのかは、医者が判断するものです。
よく、どんな症状ですか?と聞くと”痔です”と答えられます。痔と判断したから、肛門内科に来たわけなので、当たり前かもしれませんが、そもそも診断は医者がつけるもので、症状とは、出血、痛み、脱出などのことです。
治療は、症状を改善することですから、まず、症状を起こしている原因を探します。それが診断です。診断がついたら、それに合わせて治療を進めるのです。
肛門からの出血だと思ってきた人の中には、婦人科からの出血もありましたし、尿道からの出血もありました。骨盤底には、3つの臓器が密接して存在するので、わかりにくいんです。
また、肛門を治すには、食生活の改善から、体重の管理まで必要だと話し、生活習慣病が見つかった人もいます。体重と肛門は関係ないように思いますが、骨盤底の臓器にとって、体重がオーバーしているということはとても大変なことなんです。
また、乳腺についても、不思議なことがあります。婦人科だと言って予約を取った人は実は乳腺だったことがあります。乳腺は乳腺外科であって、乳腺科はないし、婦人科でもないのです。消化器外科、胸部外科の一部に乳腺外科が存在し、脳神経外科と同様に、診断と治療を行ってきました。
普通、診断は内科、手術が必要なら外科医に送られます。しかし、診断と治療を並行して行っているかも多く存在します。耳鼻科、眼科はそうですね。
医師会は、かかりつけ医という概念の普及を推奨しています。でも、いつまでたってもその概念は浸透しません。それどころか、開業医までどんどん専門に分かれてきています。海外では、かかりつけ医が、何かにかかればいいかを支持し、適切な専門医を紹介します。そんな簡単なことが、なぜ日本ではできないのでしょうか?
年内に、心エコーもならってきますので、ほぼすべての疾患をカバーすることができるようになります。もちろん、各専門医との連携もとっていますので、専門医が必要になれば、紹介できます。
かかりつけ医になりたい。そう子供のころから考えていました。それが、もうじき完成しそうです。