今日子先生が今まで書かれたブログの中からアクセス数の多いブログを
もう一度ご紹介。
◆ 2012年3月16日の記事です ◆
中性脂肪が高いのに体質だとか、マヨネーズが好きだからとか放置していませんか?
クリニックの患者さんで、10年以上医者にかかってるにもかかわらず、中性脂肪が2000ぐらいの高い値の儘で、体質だと諦めていた方から、日本で初めての遺伝子型が見つかりました。
脂質関係については、金沢大学と連携しています。中性脂肪についても相談をしていて、患者さんを説得して、金沢まで受診に行って来てもらったことがありました。中性脂肪の値については、内服を調整し、食事指導を徹底することで、1000を切ることができ、膵炎の可能性が薄らいだということで一段落していました。
あれから、何カ月も過ぎていたので、今回の報告はびっくりする内容でした。脂質異常については、いくつかパターンがあって、元々珍しい症例だったのです。遺伝子異常まで調べてくださってるとは、私も知りませんでしたので、この情報は本当にびっくりしました。
日本での報告は初めてになりますが、本当に一人だけでしょうか?そうではないはずですよね。中性脂肪が高いのは体質だと放置している方の中に、必ずたくさん見つかると思うのです。一般的に、検診などでは空腹時に中性脂肪を測りますので、異常がないとされている方も多くいらっしゃると思います。また、コレステロールと違って、中性脂肪を下げる薬が少ないことから、あまり重要視されていない場合もあります。
ところが、中性脂肪は空腹時と食後では違うものとして判断しないとならないのです。空腹時の中性脂肪は肝臓で作られたものなので、食事とは関係が薄いのです。ところが、食後の中性脂肪は食事の影響で、脂肪分より糖質の取りすぎに影響されます。食後六時間の中性脂肪値が高いと心筋梗塞を起こしやすいという報告もあるので、食後の中性脂肪の測定が重要になってきました。
中性脂肪がかなり高くても、症状は出ません。食事が悪いからとか体質だとかで放置されている方は、是非調べなおしてみてください。食事の影響からだけであれば、1週間でも野菜中心の食事に変えて見れば変化がわかるはずです。
自分の体なので、医者任せにせず自分でも実験をしてみてください。一度の検査ですべてのことはわかりませんので、条件を変えて何度か検査を受けてみてください。本当に体質だと言うのであれば、遺伝子型まで調べてみる必要があるのではないでしょうか?