とうとう、ブログも500回になりました。記念すべきブログなので、得意の血糖について書いてみることにしました。
血糖と一言で言っても、とても奥深いものです。糖は脳にとって重要なエネルギーなので、血糖値は70から130までの間で、なるべく安定するようにされています。だから、”甘いものを食べると血糖が上がる”と言う話は本当ではないですね。上がってしまうようなら、耐糖能異常か糖尿病です。
血糖値は、脳の活動に大きく影響されます。70を切っても、130を超えても頭はボーっとして、脳の活動は低下します。ところが、血糖の変動が大きい人は、だんだん体が慣れてくるので、血糖値が300を超えていても、全く症状が出なくなります。これは、血圧でも同じことが言えます。高血圧を患っている方は、血圧が200になっても平気です。普通の人が200になるとたぶん、ぶっ倒れると思うんですが。。。
血糖が低いことに関しては、高い血糖よりも順応しずらいようです。糖尿病を長く患っている方も低血糖に関しては、症状が出やすいものです。なぜ、低血糖のほうが順応しないのか?脳にとって、血糖が重要だからです。血糖が下がってしまったら、ひどい場合は昏睡を起こします。また、この昏睡が低血糖によるものだときずかれなければ、二度と目を覚ますことがなくなってしまうぐらい大変なことなのです。
また、最近の研究では、低血糖と認知症の関連も調べられていますし、低血糖を頻回に起こすと糖尿病自体の予後も悪いと言われています。高血糖より、低血糖のほうが重大な事態だとわかってきたのですね。血糖の変動はそううつ病だと勘違いされることもあります。血糖が高いと元気満タンになって、血糖が低くなると動きも鈍くなり元気がなくなるからです。性格だと思っている人の中にも、血糖変動が原因になってることが多いかもしれません。
では、どうすれば健康的な生活を送れるのでしょうか?一番は、血糖の変動を少なくすることです。70から130の間で安定すれば、精神的にも安定しますし、脳をはじめとしたいろんな臓器の障害も起きにくくなります。血糖の変動が血圧の変動にも関係していることもわかっていますから、血圧変動がひどい方も、血糖を調べてみるといいかもしれません。血糖変動を安定させたら、高血圧が治った方もいらっしゃいましたから。
血糖変動を調べる方法としては、糖負荷試験と24時間血糖測定があります。でも、血糖だけ調べてもその裏で動いているインシュリンの動きを知らないと、血糖変動が何から起きてるかわからないので、まずお勧めできるのは糖負荷試験です。血糖値と言うのは、からだの代謝の結果であって、その結果が出るためには、裏でいろんな代謝系の動きがあるわけなので、表面の血糖だけ調べても、何にもならないと言うことです。
ただ、血糖変動があるとわかれば、24時間血糖変動を調べることで、何をすれば血糖が変動するのかがわかってきますので、その後の生活の参考になっていきます。血糖値と言うのは、単独で高かったり低かったりする数字が問題なのではなくて、急激な上昇や、急激な減少がからだに負担をかけますので、それを調べるためには、24時間血糖測定しかないと言うことになります。
では、どうすれば血糖変動の少ない生活ができるのか?簡単には、低GI食品を中心として、一度に食べる量を減らすことです。普通の血糖変動であれば、3時間で血糖は下がるので、食事や間食は3時間以上あけることが重要です。低GI食品については、日本ではあまり見かけませんが、医療費が高いアメリカでは、低GIの料理本も売られています。
アメリカでは、医療費は日本の10倍とも言われています。薬一つもらうにも、10倍のお金がかかりますから、健康に関する関心はとても高いと言えます。なるべく薬に頼らない生活をしようと思えば、食が基本になりますので、低GIの料理の本もあるわけです。サプリメントも豊富にありますが、漢方薬のように薬剤師がその人ごとに合わせているようなので、日本のように勝手に飲むと言うことではないようです。そういったサプリメントの店には、がんになりにくい食事や、感染症にかかりにくい食事など、いろんな食事療法の本が売られています。サプリメントとともに、食の改善が進んでいるのですね。
また、血糖変動は、高脂血症など脂質系にも影響します。中性脂肪は、食事で余分に取ってしまったカロリーの結果なので、影響は出ますよね。中性脂肪は、血糖と同じくエネルギー源ですから、血糖と同様に考えるべきです。最近は、コレステロール系にも影響が出ると言われているので、高脂血症と言われている方も、血糖変動を調べてみるべきですね。また、高脂血症は、甲状腺機能にも影響されます。甲状腺機能が低ければ、悪玉コレステロールが上がりやすいわけです。
これらは、すべて代謝系として一括で考えたほうがいいでしょう。血糖値と言うのは、からだの一番表面で起きている現象なので、その奥に何があるかを探すべきなのだと思います。歯科の分野でも、血糖が気にされだしています。歯周病の直りが悪い人は、糖尿病が隠れている可能性があると言われます。血糖が高いと、傷の修復に影響が出るからです。けがが治りにくい体質と思っている方の中にも血糖変動があるかもしれません。
かなりいろんなことを書きましたが、血糖変動を安定させれば、いろんな部分が治る可能性があると言うことです。これは、薬で治療するのではなくて、食事管理になります。食べる時間、食べる内容、食べる順番、食べるのにかかった時間、そういったものが大きく影響します。食事に関しては、説明にかなり時間を要するので、簡単に一言でまとめると
朝食を抜かない、どかぐいしない、こまめに食べる。といったところでしょうか?