去年の4月の大幅改正で、開業医は減収になるようにされました。病院勤務医の給料が安いから、それを上げるために診療報酬を大幅に変更したのです。では、実際に勤務医の給料が上がったのか確認したのでしょうか?勤務医は、病院によっては安いこともあります。しかしアルバイトは禁止されていないので、夜は当直に行ったり外勤と言って昼間にも堂々とアルバイトに行っています。
中小の病院では、知名度の高い病院から週に一度でも診療に来てもらうと助かるのです。なので、非常勤の先生には高い給料を出しています。また、検診や講演会など単発の仕事は、スタッフが多くいて休みを取りやすい大病院の先生が行きます。公立病院で、アルバイトが禁止されていても、こういった単発の仕事は、構わないようです。なので、総合してみると勤務医のほうが年収は高いと思います。
勤務医の給料が低いというのであれば、勤務医の申告のデータを集めるべきだと思います。それを科ごと、年齢ごと、地方別、専門医や学位の有無などでマッチングさせて解析すべきです。なおかつ、1年施行したのですから、政策があってたかどうかを確認すべきでしょう。
一方で、開業医の年収平均が2000万円と報告されていました。これもびっくり仰天です。経営が成り立たないため、アルバイトに行っている先生も多いからです。この数字は、開業医のほうだけ申告された年収を調べたこと、自費診療の不妊治療の施設、産婦人科、美容関係の形成外科を含めたものだと思います。保険診療で、まともなことをしていれば、そんな年収にはなりませんから。また、平均というのが間違いです。平均値というのは、1件でも高額収入があれば、跳ね上がります。平均的にいくらくらいの収入があるかを調べるのであれば、中央値というもので出さないとなりません。
統計処理というのは、出したい結果に誘導できるものです。国の説明は全く納得できるものではありませんでしたし、何か裏があって民意を誘導したいのかなともとれました。それで、反論したいと思いましたが、そんな窓口などないですよね。厚労省のHPへの直接書き込みも、いまだに何の返答もありませんから。そういったことをしてるというパフォーマンスだけなのでしょうね。
勤務医の給料については、病院内での実労働時間で割ったもので比較すべきですね。役職が上がれば、学会発表や、講演会などで、不在になってることも多くあります。診療報酬とういのは、患者さんを見ないともらえませんが、えらくなってくると病棟主治医は持たず、外来だけです。検査なども若い人に任されてきて、重要な手術ぐらいしか入らなくなります。
地位の高い人はそれなりの給料をもらっていますが、その報酬を作っているのは、若手の働きです。企業ならそれでもいいでしょう。物の販売など収入源はいろいろありますから。でも、医者は診療しないと収入は入らないようになっているのです。国は地位の高い人が初診をしても、研修医上がりの若手が初診をしても2750円と決めています。給料格差を考えるのであれば、開業医と勤務医ではなくて、病院内給料格差だと思います。若手ががむしゃらに働かないとならないのは、地位の高い先生の給料を作るためなのですから。
では、どうすれば給料格差がなくなるのでしょうか?簡単ですよね。地位の高い人の診療報酬を上げればいいわけです。若手2500円、中堅5000円、トップクラスは10000円と帰ればいいことですよね。この話は、昔から医者の間では当たり前にされています。そういった言葉がなぜ国には伝わらないのでしょうね。
元々、開業医の初診料が高かったのには意味がありました。大病院には、各科があり専門以外は見なくてもいい環境です。でも、開業医には、専門を超えての相談が入ります。病気以外の家族の相談事まで持ち込まれます。そういった話をゆっくり聞くために、初診料が高く設定されていたのです。今の環境では、専門以外の話は聞かなくていいようにされていて、専門以外は紹介状を書いてよそにいってもらうように誘導されています。
医療の実情が悪くなっていることがわかってる民間の人も多くいます。でも、もっと民意が動かないと変わっていかないのです。変えていこうと思えば、勉強もしなければなりません。皆さんの力で、医療を変えて行ってください。将来がある子供たちのためにも、今から動かないと間に合わないんですよ。