救急車で病院に行く場合と、タクシーで行く場合
Posted on: 木曜日, 7月 19th, 2012 in: クリニックより救急車を呼ぶほどでなかっただろうと思う救急搬送はたくさん見かけます。以前、親指の脱臼だけで歩いて救急車に乗ってきた人がいました。脱臼は、レントゲン室ですぐに直したので、患者さんは大騒ぎしてすいませんでしたと、救急車で来院したことをわびていました。でも、救急隊に、歩ける人をなぜ乗せてきたのか聞くと、搬送依頼があれば断れないと言いました。
救急車で病院に言った場合と、タクシーで言った場合はどう違うのか。救急車なら、救急室に運ばれて、医者も看護師もすぐに呼ばれます。タクシーで言った場合、時間外なので診察時間まで待てないかと、受付が聞きます。待てないと言われたら、医者に連絡が行きますが、救急担当ではなくて、外来担当などに連絡が行くので、別の処置などをしていれば、すぐには対応できません。
外来に見に行ったら、患者さんはぐったりしていたりするので、救急車を呼んだらよかったのにと思うことがあります。ひとり暮らしであれば、救急車を呼ぶしかないのでしょうが、家族がいればなんとか自家用車で運んでくるのだと思います。どうしてこのような偏りができるのでしょうか?
救急車が必要だったかどうか、それを医療側が複数の人間で判断してはどうでしょうか?救急車が必要ではなかったと判断されれば、自費にすればいいのです。そうすれば、救急車が必要な人がちゃんと救急車に乗れるようになるのではないでしょうか?
救急車自体を自費にしようとした自治体もありますが、議会の反対にあって実現しませんでした。でも、無駄に救急車を呼ばないようにというポスターはあちこちで見かけます。軽症の人を運んでいる間に、本当に必要だった人が間に合わなかったことも、見てきているので何らかの策は必要だと思います。夜中に救急車でやってきて、軽症だから入院の必要はないと言うと、救急車に自宅まで運べとわめいている人も見てきました。
一方で、福祉も休んでいる休日に、誰かの介助がなければ動けないような人が、必死でタクシーに乗って帰ろうとしているのも見てきました。役所は、平日だけでのんきだなあと思いました。家族がいれば何とかなっても、ひとり暮らしが増えている今の時代、いろんな意味で難しい問題が増えています。
どうしたらいいのかを行政だけではなくて、市民参加で考えたほうがいいと思います。明日は、わが身かもしれませんから。