大阪市指定医療機関講習会(感染症)に参加してきました。結核指定医療機関対象の結核、HIVについての講習会です。
近年、結核やエイズに対する関心が低下し、それに伴う受診・診断の遅れが生じ、結核については全国で2,110人の人が亡くなっており(平成24年)、また、大阪市におけるHIV感染者・エイズ患者累計報告数は1874人(平成24年)であり、そのうち約2割がエイズ患者と報告され、この割合は増加傾向にあるとの事です。今回の講習会では、こういった状況を無くすべく、大阪市での結核およびエイズに対する感染予防対策、治療方法、予防の仕方、診断方法、など講義がありました。
結核とは「結核菌」を吸い込むことによって主に肺に炎症が起こる病気で、結核菌の混ざったしぶきや咳やくしゃみと一緒に空気中に飛び散り、それをまわりの人が吸い込むことによって感染します(空気感染)。感染即発症ではなく、健康であれば、人の体は免疫によって結核菌を抑え込んでしまいます。その人の体力が低下したり、他の病気になって免疫機能が働かなくなるなどして抵抗力がおちると、抑え込まれていた結核菌が再び活動をはじめ、発病する可能性があります。症状としては、風邪とよく似ており、せき、痰(たん)、発熱(微熱)などの症状が長く続くのが特徴だそうです。結核治療薬を服薬することで治すことができます。
エイズとは、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)の感染によって引き起こされる病気で、私たちの体に自然に備わっている病気に対する抵抗力、つまり免疫機能が働かなくなる病気です。感染経路は、性的接触・血液感染・母子感染の3つで、日本では性的接触による感染が大半を占めます。初期症状としては、風邪と同じようだと言われていますが、全ての感染者に初期症状が出るわけではないそうです。HIVを体内から完全に排除できる治療法は今現在ありません。抗HIV薬によってウイルスの増殖を抑え、エイズの発症を防ぐことで、長期間にわたり健常時と変わらない日常生活を送ることができます。
上記は、講習会で説明を受けて知った内容なのですが、私は恥ずかしながら、結核・エイズについて病名は知っていましたが、ぼやーっと「咳が続く病気かな~。。。」「かかったら完治しない病気だよね~」くらいにしか思っておらず、自分には関係ない病気だと考えていたところがありました。しかし、この講習会に参加し、結核・エイズは、特別な病気ではなく、誰でも感染する可能性はあって、自分は関係ないとか、自分だけは無関心というわけにはいかないと実感させられました。正しい知識を持ち、将来健康で楽しい生活を送っていくためにも、感染予防、早期発見、早期治療の大切さを実感してもらえるよう、今後たくさんの人に伝えていけたらなと思っています。