肛門科(女性専用)
受診希望の方は、まずhttp://hirai-clinic.org/hajimeteをお読みください。
肛門を治すには口から直す必要があります
お尻の悩みで、クリニックをおとづれた方に最初に話すことです。消化管の最後が肛門なので、肛門だけに薬を塗っても治りません。口内炎であれば、食べなければ済みますが、便というのは、毎日作られていて、止めることができないのです。
なぜ、こんなことになってしまったのか?原因を探すところから治療は始まります。使い方が悪かったから、不具合を起こしてしまっているのですから、本人が原因を探さないと治せないのです。
治療の主体は、一緒に考えてみることです。安易な治療法は、再発につながりますので、十分に勉強して、再発しないためにはどうすればいいかを考えます。
自分の身は自分で守る。病気は、自分の自己治癒能力で治す。それが、当院の方針です。
まずは、どんな痔かを見分けましょう
肛門に起こった不具合は、なんでも痔だと思ってこられます。いろんなパターンがあるので、まずは自分で何かが起こっているのか考えてみてください。
肛門に何かが飛び出しているばあい
いぼのようなもの(皮膚のたるみ)・・・皮膚の色をしたでき物は裂肛(切れ痔)を繰り返した後にできる見張りいぼ(SkinTag) の可能性があります。切れ痔は20代前半ぐらいまでによく起こしますので、若い方のいぼと言うのは、この可能性が高いと思います。肛門の前方と後方によくできますが、たまに横のほうにできている方もあります。20歳代後半になると裂肛にはなりにくいので、増えていくことはないようです。
いぼのようなもの(ピンク色したもの)・・・皮膚の色と違って、ピンク色した者の場合、肛門ポリープが外に出ているものが多いようです。元々中にできるものですが、ひっくり返って、外に出て定着すると、外のいぼのように見えます。通常、1つか二つですが、たくさん出ている方もたまにあります。
いぼのようなもの(盛り上がっていて、一部ピンク色をしたもの)・・・堤防のように肛門周囲に盛り上がったでき物は、内痔核が外に押し出されている場合が多いようです。外側は皮膚の色で、肛門に近いところはピンク色の粘膜が出ています。
いぼのようなもの(急に腫れた場合)・・・肛門の入口あたり、あるいは肛門のすぐ奥で、急に腫れだしたものは、血栓性外痔核の可能性があります。内痔核が外に出てくるいぼ痔であれば、外に出っぱなしになる前に、排便ごとに何かが中から出てきて、自然に引っ込むと言う時期があります。それがなくて、急に腫れて違和感が生じたものであれば、血栓性外痔核の可能性が高いです。この場合、肛門内部に押し込むことは不可能です。よく見れば、腫れものの中に、黒っぽく見える血液が見えます。また、前方や後方にできることは少なく、通常肛門の右か左にできます。たまに表面が避けて、中の血液が出てきますが、その場合は排便時以外も黒っぽい血液が常時出てくるようになります。いぼ痔や裂肛からの出血は、排便時のみで真っ赤なものですので、見分けがつくはずです。通常は、3週間ぐらいで自然に治ってきます。痛みのある場合と、ない場合もあり、痛みは座った時などに当たっていたいと言うものが大半で、3日目ぐらいがピークで痛みは消失していきます。痛む間は、しっかり鎮痛剤を飲んでください。
いぼのようなもの(肛門が詰まってしまったような感じ)・・・排便ごとに肛門内部から何かが出てくるが、自然に引っ込む状態が繰り返された後、排便時に飛び出してきたものが、引っ込まないことがあります。この場合は、肛門に何かが詰まった感じがして、非常に強い痛みが出ます。中から出てきたものであれば、中に戻さないとならないので、しっかり鎮痛剤を飲んで、お風呂などに入って温めながら、ゆっくり中に戻してください。ゆっくり吐く息を使いながら、肛門の筋肉を緩めて、ゆっくり押し戻せば戻るはずです。戻らない理由として、痛いと感じて、肛門を締めてしまうことが原因ですので、リラックスすることも重要です。
便が詰まって出せない場合・・・かたい便が肛門の近くまで下りてきているのに、出せない場合は、肛門内部にキャラメルを入れてみるか、オリーブオイルを塗ってみるといいでしょう。キャラメルは、ほとんど油でできているので、潤滑剤代わりになります。子供の便秘などの際に、肛門を刺激すると言う意味でも使う方法です。一気に力むと肛門が締まってしまうので、ゆっくり徐々に力を入れるようにしてください。体を前後にゆっくりゆすると、腹筋に力が入りやすくなるようで、いいようです。大事なことは、焦らないこと。
さいごに。。。。
肛門にできる悪性のものは、60歳から70歳ぐらいで発生し、とても数の少ないものです。もし、悪性のものを心配されているのであれば、当院では対応はできませんので、大腸肛門科を受診してください。それ以外に肛門にできる病気は、大慌てするものではありません。大事なことは、鎮痛剤などでしっかり痛みを取って、リラックスして横になり、少し患部を温めることでしょう。肛門は、からだにとってとても大事な場所なので、出血するとなったら、たくさんの血が出ます。修復を急がないとならない場所なので、血液の量が多いのです。出血した量と患部の重傷度合いは、決して比例しませんので、焦らないことが重要です。
痔について
- いぼ痔と呼ばれるものは内痔核、外痔核
- 切れ痔と呼ばれる裂肛
- 肛門の周囲が腫れる肛門周囲膿瘍
それぞれの痔の違い

内痔核
一般的に“痔”と呼ばれているものです。腫れがひどい場合は痛みを出しますが、痛みがなく出血だけの場合もあります。多くは坐薬や飲み薬で軽快します。内痔核は悪化すると”いぼ痔”と呼ばれるように、排便時に脱出してくるようになります。脱出が頻回になると内痔核の粘膜の一部が皮膚に変わってくることもあります。そうなってくると切除か、ジオン注射をしないと治らないこともありますが、その場合も薬だけで極力治す努力をしています。手術か注射が必要な場合でも、よっぽどのことがない限り保存的治療を2-3カ月した後で行うことにしています。
外痔核
血栓性外痔核といい急に肛門に痛いしこりができるものです。
小さいものは坐薬で直しますが、大きいものは切開して血栓を取り出すこともあります。
裂肛
便を出す際に肛門の出口が切れてしまうものです。排便時にとても強い痛みを感じます。急性期は便をやわらかくする治療をしますが、慢性化すると手術が必要になってきます。女性に多いです。過去に裂肛が繰り返されていると、その外側にスキンタッグという皮膚のたるみができます。これは、切除しないと自然に消えることはありません。
痔瘻
大腸菌が肛門の内部から皮下組織や筋肉のほうへ進入し瘻孔という管を作ってしまう状態です。瘻孔の中で菌が繁殖すると肛門周囲膿瘍となり、肛門の外側に痛いしこりを作ります。肛門周囲膿瘍は切開し中の膿を出さなければなりません。痔瘻は肛門周囲膿瘍にならなければあまり症状はありませんが、手術で治療しなければ治りません。男性に多いです。
肛門周囲の皮膚炎(かゆみ)
肛門内部に原因がある場合が大半です。便通を良くする、かゆみを感じなくすることが治療の中心になります。掻かないことが最大の治療になりますので、日頃からかゆいと感じたら冷やすようにしてください。
痔の治療
痔の原因の多くは便秘や下痢などの便通異常です。痔の種類によって治療も異なってきます。
- 便秘をしない。便意を我慢しない。
- きばらない。
- 洋式トイレで和式の恰好で排便しましょう。
- 長時間座ったままにしない。
- 香辛料やアルコールを取り過ぎない。
内痔核の治療
便秘があれば便秘を解消する薬を飲んでいただきます。便秘を解消しても固形の便を出すほうが良いので、ゆるい目の下剤や漢方薬を使って便通の調整をします。
症状がひどいときは痔の腫れをおさえる坐薬を併用します。
肛門の検査
内診・・・・指で肛門の中の状態を診ます。
肛門鏡・・プラスティックの筒を肛門に入れて肛門の中の状態を見ます。
いずれの検査も局所麻酔薬の入ったゼリーを塗って行いますので気楽に受けてください。

肛門の手術
★手術をご希望の方は承諾書・問診票(PDFファイル)をプリントアウトしご記入の上ご来院ください。
当院では入院・手術の設備を備えておりませんので、手術がな方は熊取の永山病院でさせていただいています。駅からすぐの病院なので、行きやすい場所です。大阪市内と違って、あったかい雰囲気の病院なので、手術を受けられた方にも評判がいいようです。現在、第1と第3木曜の午後に行っています。 手術する場合は、3日前までに採血検査を受けていただかないとなりません。手術をするかどうかは、事前の診察によって決めますので、必ず診察にお越しください。手術も注射治療も15分ほどで終わります。日帰り手術でできますが、手術当日だけは、お休みを取るようにしてください。
ジオン注射療法について・・・手術扱いになります (男性の方でも可能です)
痔の治療方法で手術、坐薬などの薬による治療以外に注射による治療があることをご存知でしょうか?注射薬であるジオンは平成17年に発売されたのでまだ新しい治療方法になります。治療対象となる痔は脱出を伴う内痔核です。肛門の外に飛び出した痔を小さくし、痔が肛門から飛び出したり出血したりする症状を改善します。もともと肛門の外にできる”外痔核“や切れ痔、痔瘻の治療には使えません。
もともとは中国の痔の治療薬である硬化療法治療薬・消痔霊注射薬でしたが、日本向けに改良したものがジオンです。中国の薬はとても効果があったのですが、長期間の保存ができないことから日本の製薬会社が協力して開発されたそうです。有効成分は硫酸アルミニウムカリウムとタンニン酸です。
注射は“痔の腫れ”に直接打ちます。1つの腫れに対して4ヶ所に分けて注射します(4段階注射法)。肛門の中の痛みを感じない部分に注射するので手術と違って後に痛みや傷が残ることもありません。
当院ではまだ準備ができていないので、他院での治療となりますが、ジオン注射が最適な治療であるかどうかは診察したうえで決定いたしますので一度後来院ください。
内痔核治療法研究会の認可を受けています。http://www.zinjection.net/general/kinki/osaka/
※ジオン注射治療については、こちらへ

費用について
当院では保険診療を行っております。加入保険によって変わってきますので目安にしてください。
初診時 特殊な場合を除いて、3割負担で3340円になります。
当院では受付で症状は伺わないようにしています。薬は院外処方箋になりますが、近隣の薬局2か所には、痔の治療薬だということはわからないようにしてもらう手配をしています。ただ、処方箋薬局は、地元のかかりつけ薬局を持つべきですので、できるだけ地元で薬はもらってください。
手術、注射治療については、初診から2-3か月たってから受けるようにしてもらっています。肛門疾患の治療は、食生活改善が主体になりますので、改善ができていない状態では行っておりません。肛門疾患で来院されて、手術を行ったのは、約6%です。手術適応かどうかも診察してみないとわかりませんので、最初から手術を想定することはおやめください。費用の目安は、3割負担で切除術が7500円、ジオンが16000円ほどです。
土曜日不定期に男性医師の診療を始めています。男性の肛門疾患にも対応していますので、お問い合わせください。
診療までに心がけてほしいこと
トイレに長時間こもらない(1分以内です)
朝食は必ず取る・・・なるべく野菜をたくさんとってください。
かゆみがある場合は、冷やすなどして、なるべく掻かない。
便を無理に出してしまおうとしないこと
浣腸、市販の強い下剤などは使わない(代わりにこんにゃくを食べてください)
排便は、生活の中で一番大変な作業で、一番大切な作業です。これができなければ、新しく栄養も取れません。しかし、肛門ばかりに意識を集中していると治るものも治りません。食べた物を出す場所なので、必ず口から直していかないとならないのです。偏った食事が原因のこともありますし、排便に対する考え方がいけない場合もあります。間違った考え方を少し改善するだけでも、治っていくものです。からだは自分にとって利益になるようにと動いてくれています。そのことを十分わかってほしいと思っています。