久しぶりに奈良で仕事をしてきました
そう遠くない昔、日曜日に奈良で仕事をしていました。院長は変わりものでしたが、院長がいない日曜日はみんなのびのびと仕事をしていました。私も、帰りに筍を買ってきたり、新鮮な野菜を手に入れるのにいい場所でした。春には横を流れる川に桜が満開になり、病院の窓からも見えるので気持ちも和んだものです。
スタッフたちにも大事にしてもらい、何もない場所で、なんとか治療しようと頭を働かせたものでした。久しぶりにならに仕事に行ったのですが、昔行った病院の近くだったのです。スタッフと話をしていると、昔に戻った気がして、ついついおしゃべりしすぎてしまいました。みんなに会いに行きたいけど、コロナのせいで大阪の人間がうろつくのはどうかと思います。
院長は変わった人でしたが、大事にしてくれていました。院長にがんが見つかり、病院を何とか残そうと養子も取ったようです。私は、院長にがんが見つかってほどなく病院を離れました。でも、スタッフからどうなっているかは時々聞こえてきていたので、まだ働いているような錯覚に陥ることもあります。
オペ室の上着をハワイで買ってきたスヌーピーにしてみたり、循環器内科の先生に麻酔科の代わりをしてもらって手術したり、みんなが手伝ってくれたから何でも出来たんです。医者はスタッフの支えがあって初めて腕を上げることが出来ますから。
そろそろ、さくらの季節が終わってしまいます。また、来年、桜の季節になるまで奈良のことは忘れてしまうかもしれません。