高カロリー輸液がよくない理由
高カロリー輸液は、細菌の繁殖にとって格好のえさになります。特に蛋白質の元になるアミノ酸がよくないそうです。最近は末梢からの点滴にもアミノ酸が入っているものがあります。
高カロリー輸液をしていると時々高熱が出ます。カテーテル熱といって、カテーテルに細菌がつくためだろうといわれていました。そのため、抜去するときに、培養に出していました。
ところが、培養してもカテーテルに細菌が出ることはほとんどありません。実は、高カロリーが高熱の元だったようです。カテーテルを抜去しなくてもカロリーを下げると熱が治まることがあるのです。
食べることを忘れてしまった人に、摂食訓練をしているとき、私はわざと高カロリー輸液を低カロリーに変更します。高カロリーのままだと食欲も出てこないからです。
栄養が十分に足りていると、あえて食べようとしなくなります。水分だけ十分に与えて、栄養を与えないようにすると食べようという意欲も出てくるのです。
果物の栽培でも同じようなことが行われています。木に苛酷な環境を与えると甘い果実が出来るそうです。人でも同じことが言えると思います。