高血糖と低血糖のひらいクリニック

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ひらいクリニック

   外科OGTT脂質異常症甲状腺消化器総合診療科

汗疱状湿疹(かんぽうじょうしっしん)の結末(再)

今日子先生が今まで書かれたブログの中からアクセス数の多いブログを
もう一度ご紹介。

◆ 2012年6月23日の記事です ◆

汗疱の相談がありました。手のひらがかゆくなって、掻くと皮膚がぼろぼろになってしまう状態です。若いころからあったようですが、最近悪化して悩んでいたようです。患部を見せてもらったときは、皮膚科からの投薬で、治りかけていましたが、皮膚は薄くて乾燥気味になっていました。

乾燥した皮膚は、それだけでもかゆみを出すので、まずはメンテナンスを指導しました。ウエットラップ療法です。抗炎症作用のあるアロマが入ったバームを縫って、アトピー用に作られた手袋を濡らしてはめて、その上から乾いたものをはめてもらいます。そうすることで、バームの油と水分が皮膚に浸透するのです。皮膚疾患には、まずメンテナンスが重要だからです。

汗疱というのは、手足にかゆみを伴う水疱が出るもので、異汗性湿疹とも呼ばれます。掌蹠膿疱症とも言われ、原因は,副鼻腔炎や扁桃腺による病巣感染、根尖病巣(歯の神経の化膿)、歯科金属アレルギーなど様々な原因が考えられます。今回、皮膚科で、ステロイド入り抗アレルギー剤を出され、それでいったんよくなったのだと思いますが、春と夏に悪化して秋にはよくなるという季節性もあるため、治ったというわけではないようです。

次に起こった時には、抗アレルギー剤を飲むように指示し、普段から皮膚のメンテナンスが必要だと説明しました。後日、皮膚科で行ったアレルギー検査で、花粉や動物にアレルギーがあることがわかり、普段の生活の中での接触が誘因になったと想定されました。患者さん自身は、原因がわからないこと、症状が出た時どう対処したらいいのかわからないことや、どう予防していけばいいのかわからないことが不安につながり、余計に発作を悪化させるのだと思います。

皮膚疾患を治すためにも食生活管理が重要になります。偏った食事をしている限り、治るものも治らないからです。クリニックで、栄養指導も受けてもらいました。その後、本人は精神的に安定したようで、家族もほっとしたようでした。今回は原因を同定できたわけではありませんが、何らかの希望ができれば、症状も安定するはずです。

専門学校に入ったばかりだったようで、家族の過度な期待が症状悪化につながったのではないかと思いました。


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