泌尿器科の先生にほめられちゃいました
精巣の手術を受けた後が化膿したという患者さんを診ていました。膿は予想外に広がっており、腹壁にまで及んでいました。ドレナージ孔を作って、洗浄を繰り返し、炎症は創部のみになってきました。
ところが、尿道の損傷もあったようで、創部から尿が出るようになったのです。それで、泌尿器科の先生に往診に来てもらいました。結果的には、膀胱に穴を開けて、そこから尿を出すようにするしかないということになりました。
尿道バルーンを留置しておけば何とかなるかなと思ったのですが、残念でした。でも、創部がとてもきれいになっているとほめられちゃいました。もっとひどい状況になっていると思っていたそうです。
確かに、尿道皮膚ろうになっていますが、ろうこうの部分はきれいです。ろうこう造影をしても死腔(デットスペース)が少ないのです。ろうこう部分から細菌も検出されますが、尿で常に洗い流されているので、問題ないでしょうということでした。
外科医ですから、創部の管理は徹底してやります。当たり前のことをしただけなのに、えらくほめてもらえて、ちょっとうれしかったです。でも、患者さんにとって手術をすることがいいのかどうか、もう少し考えてみないとなりません。