手術は受けたくないという相談。。。。
手術を勧められたけど、受けたくないという相談は時々あります。埋め込み型除細動器を付けたくないという相談の時は、AEDを購入して持ち歩けば、手術を受けなくて良いと言いました。クリニックにあるAEDを渡してみると、これは無理とわかってくれました。かなり重いですから。
足の手術を受けたくないという方は、どうも“手術”とか“切る”という言葉に反応しているようで、今はいっている異物を“抜く”という言い方をしたら、抜いてほしいと言います。手術と一言で言っても、簡単なものから大変なものまでいろんな種類があります。
歯医者で虫歯の治療をするのもある意味での手術なのに、治療と言っているのが不思議です。虫歯の治療よりもっと簡単なことが、医療では手術と言われているからです。歯科で、インプラントを入れることは、医療では人工骨頭を入れることと同じだと思いますが、歯科では手術とは言いません。
痔瘻が出来ている方にもほっといたらだめなのかと聞かれました。最悪、癌になりますと答えました。癌になる前にはありの巣のように広がって、手術で肛門の広い範囲を取らなくてはならなくなると言いました。それなら、早めに手術したいと言ってくれました。
もう年だから乳がんの手術は受けたくないという方には、癌が皮膚を貫いて出てくるので、そうなるとお風呂には入れませんよと言います。お風呂には入れなくなるぐらいなら手術しますって言うことになります。
一方で子宮筋腫などの良性の病気の場合、手術しなくていいんじゃないって話になります。何故手術を勧められたのか、貧血が原因なら、鉄剤を飲めば良いし、大きくなってるからという人には閉経まで待てば小さくなってくると話します。
妊娠を希望しているかどうかも、関係してきます。希望されている場合で、筋腫が子宮の外側に出来ているのであれば、手術した方が良いでしょう。いろんなパターンがありますが、結論は簡単なのです。手術を勧められたからと言ってうのみにせず、しっかり考えた方が良いと思います。
私は外科医ですが、安易に人の体にメスを入れるのは好きではありません。メスを入れたらどうなるかを知っているからです。