皮下脂肪は中性脂肪から作られます
皮下脂肪がLDLコレステロールから作られるようなイメージをさせるテレビコマーシャルがあります。LDLを下げれば皮下脂肪も減るようなイメージを映像で作っているのです。言葉ではそういった説明はありませんが、何度見ても映像からはそう思ってしまいます。
でも、LDLコレステロールを下げても皮下脂肪は減りません。皮下脂肪は中性脂肪から作られます。中性脂肪は余分に取った糖分から作られます。なので、皮下脂肪は余分に取ってしまった糖質から出来てくるのです。
中性脂肪は長期的に見ればLDLコレステロールにも影響を及ぼすと思われます。血糖、中性脂肪、コレステロールは代謝系と言ってお互い相互作用をしていると考えられるからです。コレステロールが高い原因が、コレステロールの多い食品の取り過ぎではなくて、別の代謝系かもしれないのです。
薬というのは、それぞれの値を単純に下げる作用があります。飲んでいれば下がるのかというとそうでもなくて、食生活の偏りが薬の効き目を落としてしまうこともあるので、注意が必要です。ところが、コレステロールが高いものは食べていないという人でも高い人も居ます。
家族性高脂血症という遺伝の場合もありますが、多くはそうではありません。若いときの付けがたまっていたのかもしれないと説明していますが、他の代謝系の以上が影響しているのかもしれません。
人間の体はつながっていますから、1箇所を治しても他の部位から流れ込んできて、効果が悪くなると言うことが考えられます。なので、体を全体として治さないとならないのです。病気は、進行を食い止めるか、症状を軽くすることしか出来ません。治すことは無理なのです。
低アルブミン血症で、腕の浮腫が強かった方が頻脈発作も起こしていました。頻脈を抑える薬を使っても効果が出なかったとき、浮腫を和らげるためにアルブミンを使うと、少し遅れて、頻脈が収まったのです。アルブミンが少ないことが薬の効果を妨げていたわけです。
何と何が連動しているのかは、謎が多いです。どうしてそうなったのかをいつも考えながら、どこに原因があるのかを探しています。原因を探すためには、患者さんからの情報も重要なので、些細なことでも話してほしいのです。