尿路感染症の恐怖
尿路感染症で簡単なものは膀胱炎です。これは痛みを伴うので、早く発見できてすぐ治ります。ところが、膀胱より上の尿路で感染を起こした場合とんでもないことになることを知りました。
そういえば、病院入院中の方で、発熱の原因がよくわからないことがあります。注入食の方などは、すぐに肺炎と診断されます。ところがレントゲン撮ってもCTをとっても肺に病変が見当たらないことがあります。
そういった場合、尿路感染を疑います。ところが、治療が少し遅れると敗血症まで起こすのです。急性腎不全になったり、血小板が減って出血しやすい環境になったり、びっくりするぐらい早く病状が悪化します。
このとき、抗生物質の選択を間違うと、大変なのです。抗生物質の新しい考え方を勉強し始めて、一度に大量投与で良いものと、一日に何度も投与しないとならないものとがあるとわかりました。
菌が強ければ、そこまで考えて使わないとならなくなるわけです。ところが、一方で老人ホームなどでは、一日一回の投与でもちゃんと効果が出るので、何が違うのか悩んでしまいます。
そんなときに、スタンダードプリコーションということを知りました。患者さんの汗も感染源と考える手法で、頻回の手洗いを義務づけたものです。確かに院内感染は、人の手で介されます。消毒するより、流水で流す方が消毒効果が高いことは、外科の現場でもわかってきています。
ということは、病院は汚いと言うことでしょう。確かに老人ホームより不潔な感じがします。入退院も多く、他院から転院してきた患者さんが汚い場合もあります。救急を取っていればもっとひどい状況になります。
尿失禁、便失禁でぐちゃぐちゃになった人が運び込まれるからです。どうやれば、清潔を保てるのか、難しい問題ですが、何とかしなければならないことです。お見舞いに来た家族には、その辺をべたべた触らないようにと言わないとなりません。
人の手が汚い証拠に、便器よりキーボードの方が汚いという有名な話があります。わたしは、キーボードは定期的にアルコール消毒してますけどね。。。皆さんもキーボードはきれいにしておいてくださいね。病気の根源かもしれませんから。