無自覚性低血糖で事故が連発しているようです
糖尿病治療は、低血糖を起こさないことが重要だと最近は見解が変わってきています。高血糖を気にするあまり、薬を強く使いすぎて低血糖に陥っているのに、HbA1cだけ見ているとそれがわからないから、無自覚性低血糖を引き起こしてしまうんです。
事故が起こったのは、主治医に責任があると思います。最近は、低血糖にならない薬がたくさん出てきましたから、選択が正しければ低血糖を起こすことなく、高血糖も治療ができます。
低血糖は、糖尿病になって治療している人だけではなく、正常だと思われている人にも起こります。クリニックにはそういった患者さんが多く来られます。近所の医者に行ったけど、取り合ってもらえなかったとよく聞きます。
正常だと思われている人に、低血糖が起きることを理解している医者はほとんどいないと思います。私がバイトしている施設の院長は、その辺の話をよく理解してくださって、われわれは糖尿病治療している人だけに低血糖があると思っていたけど、そうじゃない人にもあるってことですねと言ってくれました。
私の言う話は多くの医者に理解されません。過去に、何度となくそういう目に会いました。それで、医者とかかわらない仕事ばかり探すようになりました。現在でも、その辺の話はあまりしないようにしています。
ばかげた話ですが、それが現実なのです。常識と思われていることも、時代が変わればナンセンスな話になることはよくあります。腎臓病で、低蛋白血症になった人への治療なんて、その代表です。
たんぱく質が減るから、たんぱく質の多い食事を食べさせていたのですが、それが逆効果だとわかって、今は低たんぱく食に変わっています。昔の知識しかない医者には、理解できない話だと思います。でも、それが事実なんです。
低血糖は、本人が自覚していないことが多いので、周りの人が発見してちゃんと見てくれる所に連れて行ってください。無自覚性低血糖を起こしているとわかれば、診断書を出して免許の更新ができなくなるようにしなければなりません。医師にはその責任があるんですよ。