高血糖と低血糖のひらいクリニック

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ひらいクリニック

   外科OGTT脂質異常症甲状腺消化器総合診療科

手術跡を見ただけでどんな手術をしたのか予想ができます

消化器外科で行っている手術であれば、手術跡を見て患者さんに少し話を聞いただけで、どういう手術がされたのか予想できます。そういうことが現場で役に立つと考えたことはなかったのですが、意外なところで役に立ったのです。

転院を繰り返してきた患者さんの情報があいまいになってしまっていることがよくあります。病名から予測できることもありますが、保険的に必要ない病名は消えてしまっていることもよくあります。

ある病院で、内科の先生方がどういう手術だったのか分からずにもめていたんです。腹部のCTで脾臓がないことはわかっていたようですが、患者さんの話もあいまいで、食道の手術を受けたということしかわからなかったようです。

脾臓を取る病気と言うと特発性血小板減少性紫斑病なのですが、患者さんがそんな病気になったという記録もないし、患者さんの話にも出てきません。何人かの先生で、話し合ってたようですが、つじつまが合わなかったようです。

話のつじつまが合わないと、患者さんが疑われます。高齢者ならそれだけで認知症と思われたりました。ところが、つじつまの合う話だったのです。

患者さんの体には首や胸に手術跡はなく、腹部にたくさんの傷跡がありました。たくさんの傷跡というのは、かなり大変な手術になったということです。ブジーというものを何度も受けたという話から、食道狭窄が疑われました。

食道狭窄を繰り返して、ブジーをしているときに食道に穴が開いたのでしょう。穴を縫合するために開腹手術をしたようですが、その際に脾臓が邪魔になったのか、脾臓を損傷して出血が止まらなかったのかもしれません。

手術の目的とは関係なく、脾臓が取られて、食道を縫合したようです。脾臓を取ってしまっても合併症というものはあまりありませんので、外科手術ではよく行われることなのです。そういったことは、内科の先生にはわかりませんね。

結果、患者さんの話はつじつまが合い、治療のためには大きな病院へ転院してもらうのが得策だということになりました。今まで、外科のキャリアが別のことで役立つと思ったことはなかったのですが、意外なところで役に立ちました。

実際に見たことがあるかどうかということはとても重要なことです。内科の先生でも、手術見学に入られる先生もおられますが、ほとんどの先生は手術には立ち会われません。診断した内容が、実際はどうだったか知りたくないのかなと思ったこともあります。

私は、何でも見てみたいので、いろんなところに見学に行きます。何にでも頭を突っ込むのは医者としてより、性格なのかもしれませんけど。。。最近は心臓関連の手術が見たいのですが、なかなか時間が取れなくて、延び延びになってます。

協力してくれる先生もいらっしゃるので、そのうち見学に行こうって思っています。

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