痔の医療事情
痔の患者さんは大変なんです。かかる病院によっては、自費になってしまうし、大病院では扱ってくれないし。。。いろんなことを調べていてわかったことです。
ほかの病気でこれほど大変な病気はないと思います。痔で検索すると肛門専門病院がヒットします。ところが、多くは自費です。受診した患者さんに聞くと自費だという説明もなく、支払いの段になって初めて自費だとわかったそうです。
過去には、肛門病院は自費しかなかったので、病院側も当たり前に思っているんだと思います。痔だというのが恥ずかしいから、自費でもかかっていたようですね。でも、痔は保険がきくんです。
なぜ、保険がきく病気が自費になっているのでしょうか?儲からないからです。生活習慣病とされている、糖尿病、高血圧、高脂血症なら、加算がつきますが、痔はつきません。生活習慣病なら、ずっと通ってくれますが、痔はすぐ来なくなります。
いろんな事情で、痔が自費になっていったのです。でも、痔はれっきとした生活習慣病です。それを国が認めないからこんなことになるんです。
ある患者さんの受け入れ先を探してわかったことは、大病院はどこも痔を見ないと言うことです。手術実績を調べて、肛門疾患の手術の実績があったから、問い合わせてみると扱ってないと。手術はほかの病気でかかっている人が、たまたま痔になってやっているだけなのでしょう。
中堅クラスの病院は、痔を保険診療でやっています。でも、診療科が多いので、やっているのかどうかわからないことが多いです。外科のジャンルに入るんですが、痔を診ない外科医も多いですから。
女医で外科医で痔を診る医者となるともっと希少です。最近、中堅クラスの病院の先生から、女性の痔を見るのは、男性の医者にはやりにくいことと、痔は専門性が強いから、腰が引けると相談されました。当然、うちで引き受けますと連絡しました。
でも、なぜ痔が専門性が高いのでしょうか?消化管の一部だし、大腸が見れたら見れるはずですよ。確かに、人工肛門の扱いになると熟練した知識が必要です。人工肛門を肛門と勘違いして扱っている医療機関が多いです。それで、ストーマ・ケアの専門ナースまでいますから。
でも、肛門はみんな持ってるものだから、自分の肛門を眺めれば、わかるんじゃないでしょうか?