老人ホームなどの施設についての国の見解
老人ホームなど高齢者の入所施設は、都会では不足しています。それを地方で作ろうという動きに、水を差すような意見を国側は出しているようです。理由は、高齢者が慣れ親しんだ土地から離れたところに入所させるのはよくないのではないかというものです。
これを聞いて、開いた口がふさがりませんでした。私は、老人ホームでの診療もしていますが、入所者たちは部屋のある階から、移動することも出来ません。認知症対策として、エレベーターには乗れないようにしてあります。
生活空間は、自分のいる階だけなので、すんでいる人も10人程度です。元々、知り合いだったという人もたまにはありますが、ほとんどは見知らぬ人です。元々すんでいた地元の施設に入所したところで、環境は全く変わります。
医療に関して国から出される提案は、現場無視の案ばかりです。いつもあきれます。老人ホームは、地方の緑豊かな場所の方がいいに決まってます。都会の老人ホームから見える景色は、住宅だらけ。。。だれも、外は眺めていませんよ。
車で1時間ぐらいのところなら、通勤でも通える距離です。近いから、家族が頻回に来るものでもないわけで、遠いからなかなか来れないという方が年寄りたちも納得するんじゃないでしょうか?
奈良でも仕事をしていますが、川があって、桜が咲いて、気持ちの良い風が吹いて、穏やかな時間が流れます。都会にはない環境があるんですよ。高齢者対策している国の役人たちは、老人ホームにショートステイして、すんでみるべきですね。そうじゃないと、わからないと思いますよ。