オープンから3年たちました
石の上にも3年と言います。よく頑張ったと思います。もともと、3度目の開業をする気はなかったのです。ところが、病院勤めでは出来ることに限界があり、開業せざるを得なくなりました。
場所はすぐ決まりました。もともと、開業するならいまの場所でやりたいと思っていたからです。中の広さも見たことがないのに、決めていたのです。週3日しか開けないやり方は近畿厚生局でも反対され、資金的にも赤字になることを承知の上だったので、周囲からは猛反対されました。
内装工事も突貫工事でした。昭和初期のイメージで作ってくれとなじみの設計技師に頼み、友人の建築会社が無理して仕上げてくれました。理想的なクリニックを作っている話は、友人の看護師にしていましたが、工事の現場見せるまで、本気にしてなかったそうです。”ほんまに作ってたんや”と言われました。
レントゲンを置かなかったため、近所の整形外科の先生に協力を求めて、患者さんの誘導もなく突然開業したわけで、最初は一日一人の患者さんしか来なかったこともあります。スタッフ集めも大変で、ひどい日は受付と私の二人だけでやっていました。
徐々に患者さんが増えて来だした頃に、腰椎を骨折してしまい、協力してくれる医者も見つからず、コルセットしたまま診療再開したり、大変でした。過去に、手術のために2度、急病のために1度、代診の協力をしたこともあります。でも、自分がそうなっても誰も手伝ってくれません。
ひとに良いことをしていれば、必ず自分に戻ってくるなんてうそだと思いました。でも、スタッフの支えで、何とか乗り越えて、その後何度も資金ショートしかけましたが、いろんな人の協力で乗り越えてきました。
最初から、日本の医療がおかしくなってると主張してきたことも、やっといまになって聞いてくる場所も出来、その一方で3年もかかってしまったと思う後悔もあります。
近畿厚生局の担当者は”先生一人が言ったところで、誰も聞いてくれませんよ”と言ってました。でも、言い続けることで人も動かせると証明できたと思います。
3年間で出会った患者さんは2千人以上になります。意味があって出会っていると思うので、そういう縁を大事にしながら、これからも続けたいと思います。