ヘルニア(脱腸)の手術も変わったものです
ヘルニアの手術は、研修医の最初の試練です。アッペ(盲腸)、ヘルニアは最初に習う手術です。ところが、ヘルニアの手術は教えるのが難しいのです。奥が深いので、自分でもなかなか自信がつかないものです。
昔は、後壁補強といって、おなかの筋肉の深い部分をしっかり縫って、ヘルニアが出てこないようにしていまし。これはかなり技術が必要です。減張切開もしないと、緊張がかかりすぎて、裂けてしまいます。
患者さんも大変です。術後は安静にしてないとならないからです。1ヶ月ぐらいは重いものは持ってはいけません。大変でした。その後、腹腔鏡による手術が出来ました。おなかの中から、ヘルニアを起こす部分にメッシュを当てるのです。
これは、医者が大変でした。腹膜をはがしてその裏にメッシュをおいて、固定をして、腹膜を閉じて。。。鉗子をを持つ手が、しびれてしまいます。時間もかかって、ヘルニアごときにやってられるかアーーーって思いでした。
その後、メッシュプラグ法が出来て、簡単になって、いまや局所麻酔でやる時代だそうです。ヘルニアの学会も出来て、マニアックなことをやっているそうです。昔は、大人の医者がする手術ではなかったものが、いまは一つの特殊分野のようになっています。
医学の発達で、患者さんが楽になるのは良いことですね。