高齢者の医療について。。。国の考えに疑問。。。
昨日ニュースで見たのですが、高齢者の医療は生活の質を上げることを優先して、内服薬は5種類までにとどめるようにと言いだしていると知りました。これは、聞こえはいいですが、一人ひとりの患者さんに置き換えて考えると、とんでもないことです。
現在見ている患者さんの中にも、家族の意向で骨折の手術をされなかった方、がんの治療拒否で人工肛門すらしてもらえなかった患者さん、膀胱がんの治療がなされずに、腹壁から尿が出てきてしまうようになった患者さんなどいろんな方がいらっしゃいます。
骨折の手術をしなければ、一生歩くことはできません。がんの治療ができなくても、人工肛門を付けなければ腸閉そくで苦しまれます。自然に膀胱ろうができた患者さんも、できるまでは強い腹痛で苦しんでおられました。高齢だから何もしないというのは、全くおかしいことだと思います。薬も5種類までにできる方もありますが、どうにも減らすことができない患者さんもいます。それを一概に5種類以下にするなんて、とんでもないことです。
医療の現場では、本当にこれでいいんだろうかと悩んでしまうことがたくさんあります。納得できないこともたくさんありますが、スタッフたちと何とか理解し、納得しようとしています。
国のえらいさんたちがいろいろ決めているのでしょうけど、現場に見に来いって言いたいですね。机上で人の命は救えませんから。