糖尿病の実態
第二次世界大戦直後は人口の1%にも満たなかった糖尿病の患者数が、平成14年には約740万人と推定され、40歳以上では約10%前後に増えているそうです。糖尿病網膜症による失明は年間約3500人、糖尿病腎症による人工透析導入は年間約12000人、糖尿病患者の寿命は日本人の平均寿命に比べて10歳以上短く、その原因は心筋梗塞、脳卒中、腎不全の増加だそうです。
糖尿病の病歴調べるとき、歩行時下肢痛、無月経、発汗異常、便秘、下痢、胃切除、肥満、高血圧、高脂血症、20歳時の体重、過去の最大体重とその年齢、妊娠時の尿糖陽性、巨大児や低体重時出産の有無、白癬・爪病変・湿疹、胼胝形成、排尿障害、ひふく筋の把握痛などを聞かないとならないようです。直接関係ないように思われる症状も関連性があるようです。たこができたからと言って、だれが糖尿病を疑うでしょうか?あるいは、たこは糖尿病の下肢の血流障害に影響を与えるのかもしれません。
これらは、血糖の変化だけを見ていてはわからないことも多く、裏で動いているインスリンを見なければなりません。血糖はインスリンの動きの結果だからです。こういったことは、内分泌系にはよくある話で、甲状腺の病気が典型例です。TSHという、脳の甲状腺刺激ホルモンの動きを見ずに、末梢の甲状腺ホルモン値だけを見ていると惑わされます。
物事は、表面だけ見るのではなくて、裏に隠れている理由を探すことが重要だということでしょうか?
欧米人はもともと高脂肪食を取っていたので、すい臓が鍛えられているそうです。ところが日本人はもともと低脂肪食だったので、すい臓を鍛える必要がなかったのです。インスリン分泌量は欧米人の75%から50%くらいしかないそうです。歴史の中にいろんな謎が隠されていたわけです。
最近、スコールのような雨が降るようになりました。日本も亜熱帯になってきたようなので、これから先の食生活も変えていかなとならないのかもしれません。今年は、節電の影響で、逆流性食道炎や胃腸障害が増えました。そういったことも含めて、日本の将来をどうしていけばいいのでしょうね。