レントゲンを撮るということ
レントゲンだけとってくれたらいいんや。そんな言葉も聞いたことがあります。レントゲンだけとれば、素人でも骨折などがわかると思っているのかもしれません。ところが、レントゲンを撮ったら、それを診断する医者が必要です。その医者が、ちゃんと読影出来なければ、心不全さえ見逃されてしまいます。
過去に、心不全によるバタフライ陰影が出ているのに、それを撮影した医者が単なる肺炎と診断していたことがありました。バタフライのように、肺門部陰影が増強するので、誰でもわかると思っていたのですが、そうではないようです。1度ではなくて、3度もそういう経験をしたことがあります。
それと、もっと重要なのが、レントゲン技師の技量です。骨折があっても、陰に隠れて見えないこともあります。それを見せるかのように取れるレントゲン技師がすごいのです。CTやMRIなどでもそうです。病変を想定して、それがわかるように設定を変えたりして、画像を出すんです。医者が見逃しても、ここに骨折があるよと、赤い印を入れてくれていたりします。
レントゲン一つをとってみても、それだけ内容が違うのです。どこで取っても同じではないわけです。レントゲン検査は被爆します。そのことも忘れ去られていると思います。MRIは磁気ですが、CTはレントゲンなので、とればとるだけ被ばく量も増えます。本当に必要なのかを考えてから受けたほうがいいと思います。検査することで、治療方針の変更がないのであれば、単に参考になるだけですから。
勧められるままに、検査を受けるのではなくて、検査を受けることで何が変わるのかをちゃんと考えてほしいと思います。