今頃、バリアーアリーなんて言ってますよ
私は昔からバリアフリーがおかしいと言ってきました。どこかの老人施設は、2階に上がらないと食事ができないようになってて、そのほうが老人が元気だと報道もされていました。その施設は、施設に投入する予算がないためそうなっていただけだったと思います。老人の転倒で一番多いのが、段差のない室内で、それによって骨折をして寝たきりになってしまうと言うことも、かなり昔から報告されています。
今頃になって、バリアーがあるほうがいいなんて、本当に遅い話ですよ。ところが、テレビでは新しい発見のようなことを言ってました。バリアフリーになったから、認知症も増えたのだし、リハビリを頑張らなくてもよくなったから、車いす生活も増えたんですよ。
クリニックを新築する時、それまで十数段もあった階段がなくなり、バリアフリーは徹底させられました。追加工事まで、行政に命じられて、追加に費用もかかってしまったのです。なぜ、行政にそこまで大きな顔をされなければならないのか、本当に腹立たしい気持ちになりました。それまで、階段を上らないと通院できないと老人たちも頑張っていてくれて、それが病気回復にも役立っていたのに、そういった現場のことを知らない行政の連中に何がわかると言うのでしょう。
現在のクリニックは、再び階段ができました。古いビルなので、行政のほうも内装の変更などを強く求めなかったのです。そこに、車いすの患者さんも来られたことがあります。付き添いの人と、うちのスタッフで、おぶったり介助したりして、階段の問題もクリアーしました。そのほうがよっぽどあったかいと思いませんか?
お年寄りたちは、なるべく迷惑をかけたくないと、頑張ります。その意欲をなくさないようにするためには、人の手と愛情が必要なんです。クリニックに、お年寄りが来られているときは、患者さんたちも手伝ってあげてくださいね。