昨日は、亡くなった父の誕生日でした
15年ほど前、父がなくなりました。息ができないと救急車を呼び、歩いて乗ったのに、病院到着時にはDOAと言って、死亡していました。当直医の交代時間帯で、8時頃だったためか、1時間近くもかかる病院まで搬送されたのです。途中に何軒も救急病院があるのに、心筋梗塞の疑いならどこも拒否したのでしょう。嫁さんがついていたのですが、救急車の中で意識がなくなり死亡したわけで、本当にひどい思いをしたと思います。
父には、高脂血症があったので心筋梗塞もありえたのですが、初めての発作で死にいたるのは珍しいことです。高脂血症の治療のために、大好きな豚足もがまんしていたようです。でも、無くなる前は、やたら豚足を食べていたそうです。自分の弟が、会社で不あたりを出し、住んでいた自宅を抵当に入れて、銀行から借り入れしなくてはならない状況になっていたようです。銀行と打ち合わせをする日の朝に亡くなったのです。
私は、病院で外来をしている最中にその弟から電話があり、”死んだで”と言われました。あまりに突然で意味もわからず、外来があるからすぐ動けないと言うと、”父親が死んだのに、。。。。。。”後の言葉は、もう思い出せません。午前中の外来が終われば、動けると思いながら仕事を続けていたのですが、検査のために検査室に行く途中で、同級生にであって、私の様子が変だったのでしょう、どうしたと聞かれ、事情を話したらすぐ交代してくれました。
1時間強かかる道のりを車で走りながら、頭は混乱していました。病院につくと案の定、検死待ちで霊安室に安置されていました。IVHなどルートを確保しようとした跡もありません。気管内挿管もされなかったようです。主治医にどうだったか確認も求めませんでした。いまさらそんなことしても遅かったからです。
私が、高脂血症に関して厳しいのは、こういった理由からです。他にも、治療が間に合わなくて、よくなったデータを見せてあげる前に、無くなってしまったおじさんもいます。出張先のホテルで亡くなってたそうです。
昨日は、なぜか一日楽しい日でした。昼には、傷害保険からお金が降りることがわかり、バイト先のスタッフに幸せのおすそ分けと言って、お菓子の詰め合わせを買ってきました。初めてであった女医とは、意気投合し、久しぶりに会った女医からは、お金大丈夫?って心配されて、夕方もいつもより早く終わり、タクシーに乗って帰宅しました。
まだ、腰に自信がないので、施設に甘えさせてもらい、タクシーを使わせてもらってるんです。タクシーの中で、電話を受け取り、思いもよらぬお金の話を聞きました。外科学会の休業補償の後遺障害が下りると言う連絡でした。ボーっとして聞いていました。でも、すぐにスタッフに携帯からメールして、もうお金の心配はないと伝えました。自宅に戻って、返信がないかと携帯を開けた時に、8月1日だとわかったのです。びっくりして友人にメールしたら、そういえば、PLの花火の日だなあと返信がありました。
クリニックはバイト代を投入しても毎月赤字、会社のほうも赤字だったので、家賃を払えなくなる状況で、引っ越しも考慮していたのです。もう、お金を借りることはしたくなかったので、全くめどが立っていなかったのです。なんとかなるだろうって、いつもの楽観主義。。。。空からお金が降ってこないかなあって思っていたら、本当に降ってきたんですよ。夜には満月のきれいな月が出て、やっぱり空から父が助けてくれたんだと思いました。
医者になって3年目に行ったPL病院はとてもいい場所でした。父が腸閉そくで寝屋川の病院に運ばれ、PL病院に転院させたので、私が医者として働く姿も見せることができた場所です。PL病院にいた1年間に知り合った友人たちが、今そばにいて助けてくれています。いろんなことがあったけど、頑張っていれば必ずいいことがあると思っていたのが、本当になったんです。
夢は捨てないでほしい。必ず、かなうから。
患者さんにもスタッフにも。。。。