高血糖と低血糖のひらいクリニック

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ひらいクリニック

   外科OGTT脂質異常症甲状腺消化器総合診療科

インスリン治療変更が成功しだしています

強化型インスリン療法で、一日4回インスリンを打っていた人を、一日1回に変更して、内服を二種類追加することで、血糖値が安定してきて、予想外に早く本人のインスリンの分泌が出てきたことがわかりました。もともと、高血糖と低血糖を繰り返していて、低血糖がしんどいため相談に来られたのでした。しかし、本人は空腹時血糖しか測っていなかったので、食後に400近い高血糖が起きていたことを知りませんでした。HbA1cは8代だったので、その数字だけからは、コントロールができていないとはわからなかったのです。

病状を一番わかっているのは、本人なので、寝る前の血糖はときどき測っていたようで、150を切ると朝に低血糖を起こすからと寝る前にまんじゅうなど血糖を上げるものを食べていたようです。ところが、その影響が睡眠時の高血糖につながり、朝までに350くらいまで上がって朝方に下がってきていたと、24時間血糖測定でわかったのです。

追加した内服は、インクレチン関連薬とそれだけでは安定しなかったために、食後の血糖を抑えるαGIというものです。どちらも、軽症の糖尿病に使う薬なのですが、持効型インスリンと言って、24時間安定して効くインスリンで、全体を下げたのでゆるい薬でも効果があったわけです。でも、びっくりしたのは、自分のインスリンが出てきたことです。

元々がCペプタイド(自分のインスリンの分解産物)が0.5-0.7と糖を負荷してもほとんど反応しない状態でした。それで、基礎的なインスリンだけは残して、治療変更を始めたのです。でも、インクレチン関連薬が聞いてくれば、自分の膵臓のβ細胞(インスリンを出す細胞)が復活してくるのではないかと思っていました。糖尿病の方は、α細胞と言って、血糖値を上げるグルカゴンを出す細胞が肥大してしまっていると言われているからです。狭い場所で、肥大化した細胞がいたら、気の弱いβ細胞はちじんでしまうのでしょう。

こういった変化は出ると予想していたのですが、3カ月はかかると思っていました。ところが、20日ほどで、Cペプタイドが1.0と正常値まで戻ったのです。ひょっとするともう少し早い時点で戻ったかもしれませんが、保険では月に一回しか測ることができないので、結果を見るのが遅くなったわけです。

食事変更も行ったのですが、ご高齢だったため果物を制限しただけでした。果糖はあまりよくないと言われているからです。その後、夕食のでんぷん質をやめてもらいました。夕食はたんぱく質と野菜だけにしてもらったのです。これは、以前にインスリン変更をした患者さんから学んだことです。夕食を野菜中心にしたら、朝の血糖値が低くなるとおっしゃっていたのです。

現在は、ご本人と相談して、寝る前の血糖が下がってきたら、寝る前のインスリンの量を徐々に減らしてもらうようにしています。その辺は、患者さんのほうがよくわかっているからです。今は、インスリンを使わなくてもいけるかもしれないと、わくわくしています。

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