高血糖と低血糖のひらいクリニック

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ひらいクリニック

   外科OGTT脂質異常症甲状腺消化器総合診療科

定期健診ってなんでしょう?

春には、会社で行われる定期検診があります。会社検診を受けているから、健康なのでしょうか?

検診では、年齢などによって、胸部レントゲン、胃透視、心電図を取りますが、大半の人は、採血と、血圧測定、身長体重、視力、聴力、尿検査です。

医師の診察では、血圧と尿検査の結果と問診の内容によって、顔色・口腔内・手のひらなどの視診、甲状腺と頸部リンパ節の触診、胸部は心音と呼吸音の聴診が、前胸部から6カ所、背部から4カ所行います。診察で見ないとならない項目は、13項目もあります。ところが、これに割り当てられている時間は、ひとり2分で、最大90人見ることになります。

それで、異常があれば、受診しなさいと言う指示を与えます。でも、このときは、採血の結果や心電図、レントゲンの結果はありません。血圧と尿検査と診察の結果だけで話をすることになります。これで、医師の診察を受けたと思っていませんか?

検診の時に、医師の診察があったとしても、医師の診察を受けたとは思わないほうがいいと思います。検診で医師の診察が入っているのは、国が定めているからだけで、検査の結果がすべてそろっていない状況で、トータルでの判断などできないからです。聴診なども、雑音が多い環境では、明らかな異常音しか発見できません。ましてや、90人も初めて会う人と話をするわけですから、最後のほうは、判断力も低下していると思ったほうがいいと思います。

ところが、医師の診察にかける時間は、国は指定していません。2分になってしまうのは、検診を請け負った施設がコスト面から、決めているのだと思います。検診は、企業にとっては、出費になってしまうため極力値段が安いほうがいいからです。一方で、検診をする施設側は、レントゲン技師、臨床検査技師、看護師、医者、事務員など10名以上の人間を用意し、胸部レントゲンや胃透視ができる検診車、心電図や聴力検査などの、機械類を用意しないとなりません。かなりの装備になるのです。

私は、検診では、医師の診察はなくしたほうがいいと思います。毎年、検診で医師の診察を受けているから安心と勘違いするからです。採血や、その他の検査項目で、異常があったら必ず医師の診察を受けに行くように、徹底するほうがいいと思います。

検診をしていると、毎年異常を指摘されているが、医療機関には行ってないと言う人がたくさんいます。理由は、なんともないから。でも、なんともないうちから、健康管理をしましょうと言うのが検診の目的なので、異常が指摘されていれば、医療機関に行くべきなのです。

特定検診でもそうですが、日本ではたくさんルールが作られます。作られた時は、なぜそうするのかを十分考えたうえで、必要があるからシステムが作られます。ところが、日本人の多くは、なぜルールが作られたかを考えることなく、ルールに従うことだけを考えます。これは、市町村などでもそうです。国が言うから、がん検診をしているだけで、ちゃんと理由を説明できる人はほとんどいません。

定期健診や、特定検診が本来の目的を果たすために、本当に機能しているのかどうか、再度検討しなおすべきだと思います。特に、特定検診は、糖尿病になりそうな人を早めに見つけて、栄養指導して糖尿病にならないように抑えようとしているものなので、とても意味がある検診なのです。そのことを本当に理解している人はいるのでしょうか?

医師不足と言われ出してもう何年もたちます。救急の現場などで、医師が足りないと言いながら、検診などに医師を使っている場合でしょうか?医学生を増やすことより、他にやれることがたくさんあるはずだと思います。

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