HbA1cの基準値が変わりました
4月からHbA1cの基準値が国際標準に合わせて、変更になりました。これに伴い、各個人の検査値も変わります。今までより少し数字が高くなるはずです。その影響で、過去の値との比較がしずらくなりますので、改めて今の数字を検査しておいたほうがいいと思います。
基準範囲は、4.6-6.2%と少し高くなりますが、これは締め付けがゆるくなったと言うことではありません。大事なことは、正常値であっても注意が必要な値があると言うことです。将来の糖尿病発症の高リスク群は5.6-5.9%なので、これに当てはまる方は、糖負荷試験を受けておいたほうがいいでしょう。
現在、糖尿病の分野では、日本人を含めたアジア人の特性について活発に討論されています。今までのように、欧米の基準で考えるべきではないと言うことは、海外の先生方も多く発言されています。日本でも、何人もの先生が日本人の特性について調査されています。ということは、この基準値も将来変わる可能性があると言うことです。
今まで、国際標準と違う値だったのが、ようやく国際標準に変更されたわけですが、この国際標準自体が欧米の基準で作られているわけで、日本やアジアには、違う基準を設けないとならないかもしれないのです。そういったことを含めて考えてみると、HbA1cは5.0%ぐらいにしておくのが無難かなと思います。
コレステロールなどの脂質系でもそうですが、正常値だからと安心はしないでください。異常値になれば、病気になったと言うことなので、正常値のうちからどう気をつけて行くかが重要です。クリニックでは、検査をどう読むかを一人一人に指導しています。医者任せにしないで、自分で判断できるようになってほしいものです。