世の中には、理解しがたい出来事があります
パニック障害で、何人かの患者さんを見てきました。なぜパニック障害になったかを追求しないと、治すことができないからです。親とのトラブルで、パニックを起こすようになった人もいます。そんな些細なことでと思うようなこともいっぱいあるんです。親とのことであれば、親と再度向き合ってもらうことで、治すこともできますが、親がすでに亡くなってしまっていたり、なかなかうまくいきません。
職場での出来事は、もっと悲惨な状況を生みます。給料などお金が絡んでくるので、生活にもかかわってくるからです。そのせいで、生活保護を取らせた患者さんもいます。精神的なアンバランスから、転職すらできなくなるからです。教育現場、医療の現場、警察などでもそういったことが平気で行われています。
暴言を吐いた側は、記憶に残ってないことが多いので、言ってないと言います。暴言を吐かれた側は、その言葉が記憶から消えません。言った言わないの話になるので、とても難儀です。暴言を吐いた側は、忘れてしまうので、いいかもしれませんが、言われた側はそのことがきっかけで、同じような状況になると、パニック障害を発病してしまうのです。
パワハラやセクハラの窓口もでき出してはいますが、そういったところがどこまで機能しているのでしょうか?何人もの患者を見てきて、必要であれば、弁護士まで紹介して、何度も解決の方法を模索してきましたが、なかなか治すことができません。
世の中の多くの人に、声を大きくして言いたいです。あなたの一言が、どれだけ人を傷つけてしまうのか考えてから発言してくださいと。特に、上の立場に立っているもの、親という立場、職場の上司という立場の人たちは、それだけでも相手に威圧感を与えるのです。上に立つ立場の者こそ、自分の置かれた立場の重要性を知るべきです。
心に深く傷を負ってしまった患者さんを見るたびに、私の心にも深い傷が残っていきます。