高血糖と低血糖のひらいクリニック

アクセス
内科/外科/糖尿病・内分泌内科/消化器内科/肛門内科/形成外科/ (予約優先) ひらいクリニック 大阪市中央区南船場3-2-6 大阪農林会館 B-1号室 TEL06-6125-5350 FAX06-6125-5351

ひらいクリニック

   外科OGTT脂質異常症甲状腺消化器総合診療科

耐糖能異常が思った以上にたくさん見つかりました

耐糖能異常を調べるのに糖負荷試験という検査があります。患者さんでこれといった症状の無い人70人に糖負荷試験をしたところ、26人にインシュリンの異常分泌を認めました。これは、予想外に多い数字だったので、スタッフも全員受けるように指示しました。そしたら、3分の一にかなりひどい血糖変動、3分の一にインシュリンの分泌異常、ほぼ正常だと判断できたのは、たった3分の一でした。これには、スタッフもびっくりしています。あわてて、身内を連れてきて検査を受けさせているものもあります。糖尿病の遺伝的素因がないか調べています。

異常が見つかった人の多くは、空腹時血糖は正常ですし、糖負荷による血糖変動も正常の人がほとんどです。血糖変動に異常が見つかった人も、空腹時は正常で、血糖が上がってもすぐに下がるので、HbA1cでは異常は見つかっていません。糖負荷で、血糖値が250まで上昇した人も、一年前のHbA1cは正常だったそうです。ということは、1年弱で、異常に変わってきたということになります。

これらのデータは、学会で発表するために現在まとめています。抄録が受理されれば、もう少し詳しい調査をして、日本人特有の体質として、いくつかの学会に出して論文にもしていこうと思っています。

インスリン分泌に異常を認めた人に、独自の栄養指導をしたところ、多くの人に改善がみられています。特にこれといった症状はなかったのですが、異常が見つかってから”そういえば。。。。”といった軽い訴えが出てきて、改善してみて初めて、症状だったと言うこともわかりだしました。

朝起きてすごくしんどい、寝る前に過食してしまう、体調が悪く家に引きこもりがち、宴会などに参加するのが苦痛、コブラがえりが起きていたなどなど、本当に些細なものが見つかりだしています。また、食後血糖を安定させることで、食後低血圧を改善したと言う報告も見ました。血糖と循環動態・血圧との関係は、早くから関心を持っていたので、やはりそうだったのかという印象です。

食後1時間の高血糖や食後6時間の高脂血症(中性脂肪高値)は心筋梗塞の原因だともわかってきたので、症状がないうちの検査が非常に重要だと言うこともわかってきました。

これらは、空腹時でしか検査していない検診や人間ドックでは見つかりません。あるいは、少し正常域を出た程度の異常でしか見つかりません。数字にしたら、1-2、0.1-0.2というごく微量の変化です。施設側から異常なので精密検査に行ってくださいと言う指示は出ない範囲です。

糖尿病になってしまったら大変なので、なる前に見つけるにはどうしたらいいのか、ネット上で何を流せば、気づいてもらえるのか?今の問題点は、どうやって新たな患者さんを見つけて行くのかということかもしれません。

Comments are closed.