介護保険が寝たきりを増やしているとわかりました
最近は、長期入院ができないので、早めに退院させてリハビリは自宅で行うようになっています。そうなった際、医療から介護にバトンタッチされます。ところがここでびっくりすることがわかりました。ケアマネージャーなど介護の人たちは、要介護度が高いほうが点数が高く取れるので、要介護度を低くしようとはしないのです。患者さんには、要介護度が高いほうがたくさんサービスが受けられますよと説明されます。でも、患者負担も増えるんですけどね。。。
事業として考えれば当たり前のことです。儲かるように仕組んでいかないと、事業としては成り立ちませんから。ところが、同じことが、生活保護の分野で役所がやっていることがわかりました。こっちは、経費を少なくするためです。リハビリをすれば歩けるようになりますと申請しても、歩けたからと言って何が変わることもないから必要ないと却下されるそうです。確かに、生活保護の人が歩けるようになったからと言って、急に元気に働きだすとは限りません。
でも、歩けると言うことが人間にとってどれだけ重要かわかっているのでしょうか?ある高齢の女性の方は、リハビリで歩けるようになるかもしれないとわかり、生きる気力を取り戻し、隠してきた乳がんを打ち明けて、手術を受けられました。彼女は、生きる気力を失っていたから、人に迷惑をかけたくないと乳がんができていることが分かっていて隠していたのです。3年以上前から気づいていたようなので、とても辛く不安だったと思います。でも、高齢なのに乳房切断という方法をとり、早く家に戻ってリハビリを始めたいとおっしゃってたそうです。
歩くと言うことは、自由を得る最初の手段です。歩けないと、どこにいるか決めることすらできません。動かしてくれる人の意思で居場所も決められます。自宅にいるのか、施設に入れられるのかすらも、本人の意向が後回しにされます。ところが、歩くことができれば、自宅内でもリビングにいたければそうしますし、ベットに戻りたければそうできます。ほんの少しのことでも、自由が取り戻せるのです。
介護保険も生活保護も見直しが必要だと感じました。寝たきりにだけはなりたくない。それは税金を納めてきた国民としての権利だと思います。