高血糖と低血糖のひらいクリニック

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ひらいクリニック

   外科OGTT脂質異常症甲状腺消化器総合診療科

学会に入会するということ

学会に入会するということが、大変な作業だと知っている人は少ないと思います。学会によっては、評議員をされている先生の推薦が必要なのです。外科系の学会はそれが多かったので、当たり前だと思っていましたが、それ以外の学会に入るようになり、そうでもないこともわかってきました。

ジオンと言う注射療法は大腸肛門病学会に入っていないと、講習すら受けられません。私は、入っていなかったので、まず学会に入るために評議員にサインをもらうことから始まりました。たまたま、懇意にしていた先輩が評議員だったので、サインをもらい、講習を受けるための手続きに進みました。ところがここでも、肛門手術の経験を問われるのです。経験数はそこそこあったので、これもすぐクリアーしましたが、次に問題になったのは、所属機関でした。

当時、開業医を主体に、大学の非常勤もしていたのですが、開業医の申し込みなら、講習は1年先になると言われました。そこで、大学の所属で、おまけに先代の教授の推薦だということにして、申し込みしました。それで、やっと講習にたどり着けたのでした。先代の教授は、私を大変可愛がってくださっていたので、私が肛門を始めることはとても喜んでくださっていました。

ジオンの講習を主催する側も、有名人だった先代の教授でも講習を受けられたということを宣伝に使っていたようです。資格というのは、有名な先生でも若い医者と同じように受講しなければ、取れないということですよね。しかし、その後ジオンを勉強したいという後輩ができたのですが、評議員のサインがもらえないことで、話がストップしてしまっています。そんなので、本当にいいのかなと思いますが。。。。

さまざまな学会に入ってみて、日本糖尿病学会が入会を厳しくしているとよくわかりました。今までは行った中で一番厳しいと思います。評議員の推薦は、私の元主治医がサインしてくださったので、なんとか申し込み用紙を送付しましたが、そのあとで、まだ審査があるようです。おそらく、推薦者がかなり有名な先生なので、審査は通ると思いますが。。。。

なぜ糖尿病の学会にこだわったのか、それには理由があります。特定検診が糖尿病になりやすい体質の人を糖尿病になる前に発見しようとしているとわかり、その普及に努めていたのです。空腹時血糖とHbA1cの基準値が普通の採血の際の正常値と異なっていたため、現場はおろか、検診を行っている市役所、国保、社保いずれの機関も、全く理解していなかったのです。

なぜ、理解しないのか、理由は検査にありました。検査会社によって、基準値が異なったのです。しかしそのことも、検査会社側が足並みをそろえだし、統一を始めていました。しかし、院内検査を行っているとそうはいきません。臨床検査を専門にする先生にも、正常値の統一は無理だとはっきり言われました。

特定検診を導入すると作業が大変になることも、敬遠される原因でした。しかし、私の考案した方法をやれば、簡単に導入できて、医療機関の純利益も増えたのです。その数字も持っていましたので、講演させてもらえれば、普及させることができると思っていました。

ある医師会の事務の方が、是非普及させてくださいと言ってくださいました。それで、医師会長に説明に行ったのです。1時間ほど、いろんな説明をしました。具体的な数字など資料もお見せしました。ところが、最後に言われたことは、講演してもらうことは無理だねと。そのあとの一言です。”君は糖尿病の専門じゃないからね”

馬鹿げていました。特定検診は、予防医学であって、糖尿病のジャンルではなかったからです。糖尿病の専門医は、逆に特定検診の重要性がわかっていなかったと思います。この40年ほどの間に30倍にも増えた糖尿病患者の治療で手いっぱいなのです。糖尿病になる前など見る余裕もないはずです。

今回、学会に入ることができて、やっと土俵に上れたと思います。それほど、学会に入るということは重要な意味があるのです。

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