大事な検査を削除されました
保険請求とうい物は、請求した通り支払いをしてもらえるものではありません。審査というものがあって、必要ないと判断されれば、平気で削除してくるのです。今回、国保から、糖負荷試験を900点のものから、簡単な血糖だけ測定する200点のものに減点されてきました。糖負荷しても、血糖の変動だけ見ても何もわかりません。その裏で、同インシュリンが動いているかを見ないと、糖尿病の早期発見はできないのです。
この原点に関しては、当然異議申請というものをします。実際に、この検査で、糖尿病の直前で発見することができたわけで、その結果も付けて提出します。それでも、理解しないかもしれないので、その時は国保まで乗り込みますよ。
特定検診が始まった当時、特定検診の基準値が違うから何かおかしいと思って調べ始めたのがきっかけです。3年ほど前のことだったと思います。血糖値は、10低い設定だし、HbA1cも0.4低い設定だったからです。なぜそうなったかを調べていくと、統計から逆に計算したと知りました。糖尿病になった人を逆に調べていくと、この基準じゃないと糖尿病になる前に発見できないとわかったのです。
でも、その後いろいろ調べていくと、この基準でも漏れてしまう人がいるとわかりました。結局、今はすたれてしまった古い検査の、糖負荷試験で血糖とインシュリン値を同時測定しないとわからないのです。
その後、HbA1cの検査値が0.4ポイント上がることがわかりました。私の主治医である、清野先生が変えようとしています。びっくりすることに、今まで世界基準より甘い設定だったのです。0.4ポイント変わるだけで、今まで糖尿病と言われていなかった人が大勢糖尿病になってしまうはずです。
日本は、この40年間に糖尿病が30倍に増えているそうです。その原因の一つが、HbA1cの基準値が間違っていたことだと思います。すでに糖尿病になっているのに、糖尿病と診断されていない人はものすごい数いると思います。また、糖尿病になる前に発見しようと思えば、糖負荷試験を再開すべきなのです。
国保はなぜ点数を下げてきたのでしょうか?医療費を抑えたいだけです。900点のものを200点に減点した後は、きっとHbA1cの測定だけでいいと言ってくると思います。そのほうが安上がりだからです。
日本は、保険診療という縛りがあるために、しなくてはならない検査ができなくなっていますし、しなくてはならない指導もできなくなっています。なんのための医療なのか、医療費ばかりに目をやって、誰のために医療をしているのか忘れているのです。
クリニックでは、こういった生きどうりを感じたスタッフたちが、日々戦っています。一つの医療機関でもいい、まともな医療をしていこう、そう考えています。