検診の現場でしていること
検診施設で、子宮がん検診と乳がん検診をしています。検診では、症状が無いうちにがんを見つけようとしているため、ほとんどが健康な方です。ところが、症状があるのに検診に来られる方があります。症状がある場合は、医療機関を受診しなくてはならないのですが、受診するほどでもないし、検診があるからいいっかと思われるのだと思います。
しかし、検診は、がんを見つけようとしているだけで、病気の診断はできません。そのことをご存じない方がとても多いような気がします。その理由として、国が周知徹底していないからだと思います。また、検診では、発症の多いがんと早期に見つかれば、治るがんについて調べているだけで、すべてのがんを調べているわけではありません。
子宮がん検診のときには、子宮がんには体がんと頚がんとあり、検診では頚がんだけを見ていると説明します。子宮がんというから、すべて見ていると思われると困るからです。もう少し説明するとすれば、卵巣がんについては全く情報はないということになります。子宮卵巣系で、卵巣がんは12%、子宮体がんは10%なので、検診としてはお子習われていないのです。
乳がん検診の際には、マンモグラフィだけでは不十分だという話をします。マンモグラフィーは3割の早期乳がんを探しているだけなので、機会があれば乳腺エコーも受けてくださいと話しています。また、自己検診の重要性も、張り紙などで伝えています。
検診で見つかるがんというのは、すごく少ないものです。では、なぜ検診をしているのかというと、こういったがんがありますよという啓もうなのです。啓蒙することで、症状があれば早めに受診してほしいという意図もあります。
実は、中間期がんというものがあって、検診と検診の間で見つかってくるものがあるのです。1年おきに検診を受けておられても、引っかからないということがあるのです。特殊な場合ですが、急激に成長するようなタイプのものがそうだと思います。
検診、あるいは病院にかかってるから安心するのではなくて、からだのちょっとした異変でも、気にかけるようにしてほしいものです。