婦人科検診でわかりだしたこと
震災の時に、婦人科検診のコマーシャルがかなり流れたようで、婦人科検診を初めて受けに来られる方が、急増しています。その中で、初めて知ったことがあります。独身の方が結構多いこともそうですが、性交渉経験のない方が意外と多いのです。婦人科検診では、処女膜の問題があるので、かならず性交渉経験があるかどうかを聞くためです。
昔は、子宮頚がんというのは、性交渉が多いと起きやすいと言われていました。それが、HPVの感染によるものだということがわかりだし、逆にHPVと関係ないがんもあることから、性交渉の経験がない人も、がん検診は必要だという見解になっているそうです。そうは言っても、検診というのは受診とは違い、病気を疑ってきているわけではないので、とても気を使います。ひとりひとり、処女膜破損の危険性やがんの危険性の話をして、確実な診断がいいのか、確実ではなくても痛みがないほうがいいのか聞きながら行っています。
少子化が問題にされ出してもう長くなりますが、問題は子育て支援ではなかったように思います。いくら子育て支援があっても、結婚もせず、性交渉もしていないのであれば、全く意味をなしません。ある人からは、男性が性交渉を望まなくなっていると聞きました。そういうことがなくても、パートナーと生活しているそうです。草食系と呼ばれる男性の一部には、動物的な本能が欠落しているのではないかという意見も聞きます。
日本女性骨盤底医学会の発表では、性交渉の減少は女性に問題があると言っていました。でも、私はそうは思いません。結婚という形がなくても、子供だけはほしいと言っている女性が多いからです。でも、日本の今の制度では、子供だけ作るというのはかなり負担が多いと思います。
友人で、子供のそばにいてあげるために、転職した人がいます。しかし、何年もするうちに、再び同じ仕事に戻りました。子供と遊んであげる時間がないと言っていました。それはおかしいんじゃないかと思っていましたが、なにも言いませんでした。しかし、ある親子を見て気付いたようです。やはり、子供と遊んであげる時間を作らないとならないと。少しホッとしました。日本では、仕事中心で家族をないがしろにすることが美徳だと思っている人が多いと思います。何のために働いているのかが分からなくなっているのかもしれません。そういった世の中の考えが変わらない限り、子供が増えることはないように思います。