医療司法の講演を聞いてきました
東京女子医大の事件で、実際に留置所や拘置所に入った先生の講演を聞いてきました。最終的には、無実を証明したのですが、その過程は本当に壮絶なものでした。問題になった患者さんはなくなってしまったので、なぜそんなことが起きたのかを知りたいという家族の思いはわかりますが、結局は刑事告発しても死亡原因はわからないままなのです。
警察の留置所は、本当に人権を無視した場所で、最初から犯罪者扱いされるようです。警察のHP上に書かれている食事のことなどは、全く嘘だそうです。警察が嘘をつくんだから、その先のことはなにも信用できませんよね。
なぜこういったことが起こるのか、理由は様々ですが、ひとつびっくりすることがありました。医療訴訟に対する保険です。過失があったと認められないと下りないそうです。そのため、病院側は過失がなかったと証明するより、保険金をもらうために過失があったことにするそうです。過失があったとしても、本当なら複数の人間がかかわって起こったはずですが、短時間で片付けたいためにひとりに責任を押し付けるようです。
結局、患者さん側がどうしてこんなことになったのかを知りたくて裁判を起こしたとしても、本当の原因は、解剖をしていなければ解明されることはないようです。
医師免許を持ってる医者でも、必ずしも技術が優れているとは限りませんし、人格が素晴らしいかどうかなど全く不明です。同様に、いろんな病院の院長や理事長になってる医者が、人格者かどうかは全く評価できません。株式会社であれば、株主からの監視もありますし、社長になる人や幹部の人はそれなりの人格者が選任されていると思います。でも、医療の世界ではそういった選任方法ではないのです。
学会での発表の業績、過去の職歴(どこの役職を務めていたか)そういったものだけが判断材料になります。患者さんをいかに治療してきたかは、評価する方法もないのです。政治力を持った者だけが、上にあがっていける世界なのですから、本当に馬鹿らしい世界だと思います。
たくさんの本当にいい先生もいます。でも、その一方で、一部に本当にひどい先生もいます。それをどうやって見分けるかは、各個人で判断するしかないのでしょうね。