高血糖と低血糖のひらいクリニック

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ひらいクリニック

   外科OGTT脂質異常症甲状腺消化器総合診療科

耳学問は重要です

 後輩から連絡が来ました。クモ膜下出血を見つけたという連絡です。胃炎の診断をつけられていたようですが、よくならないからとおとづれた方を見たそうです。初回の診断が間違っていたわけではないと思います。診断というのは段階を追って行いますので、状況からは胃炎と診断しても仕方ないと考えました。しかし、二度目に来た時が問題です。薬で訴えが治ってないことを重要視する必要があります。

 後輩は、臨床経験があまりなかったので、脳疾患を自分で診断したことはなかったのです。でも、私が話していた内容を思い出したようです。それで、まさかと思ってCTを取ったら、どんぴしゃりだったようで、本当にうれしそうに連絡をくれました。しかし、前の情報があったために思いついたということもあります。大事なことは、同じような症状の患者を最初に見たときどう判断するかです。

 それで、同じような患者が来た場合、経時的に見るように言いました。点滴をすれば、1時間半ほど時間稼ぎができます。薬も効いてきますので、診断があってるかどうかも判断できます。おかしいと思ったら、必ず時間稼ぎをするようにして、その間にほかに考えられることはないか疑ってかかってくださいと連絡しました。

 医療の現場では、何かおかしいと思うことが大事です。患者さんはすべてを話してないことのほうが多いので、得られた情報の中で、何かおかしいと探すことが大事です。急に頭が痛くなったと来院された場合でも、その前に何かなかったか、薬など飲んでいなかったか、転倒ではなくても頭を打ってなかったかどうかなど、さまざまなことを聞き出さないとなりません。症状には関係ないと思って話してないことが必ずあるはずなのです。

 診断という作業は本当に大変です。一回の診察である程度予測を立てないとなりませんし、救急の現場では、すべてを完結しないとなりません。経時的に見るこということは本当に重要なことです。そう考えると、ドクターショッピングなどもってのほかですよね。納得いかなかったら、必ず同じ医者に会いに行ってほしいと思います。医者には聞けなかったからと、うちに持ち込まれる場合もあります。そういった場合も、必ず主治医に聞いてくださいといいます。こちらには情報がないので当たり前のことです。

 医療を受ける患者側にも、さまざまな問題があります。事前に勉強することも重要ですし、自己主張も大切です。納得がいかなければ、とことん聞いてくることも重要です。そういった努力をしなければ、いい医療は受けられないと思います。

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