専門というのは疲れてきます
何かの専門の先生を探しておられる患者さんが多いのはわかっています。専門病院も増えているので、世間のニーズもそうなのでしょう。でも、そればっかりしていると疲れてくるんですよね。
うちは内科として内科全般を見るつもりで、開業しました。ところが、厚労省は、内科という標榜だけは許さなくなっているのです。内科の前に必ず何かをつけるように言われました。また、肛門科というのもなくなっています。それで、仕方なく肛門内科と命名しました。もともと外科医ですが、クリニックでは、切らない治療を進めているので、肛門内科としたのです。
しかし、肛門は消化管の一部に過ぎません。消化器すべてがわかってないと肛門単独では治らないのです。それで、消化器内科とつけました。元々、消化器外科ですので、直接胃や腸を触って治療してきたので、本当の消化器内科の先生より、ある意味ではよくわかっていると思います。
しかし、本当にやりたいのは、からだを一つの個体と考え、不具合のすべてを治したいのです。治すといっても、医者ができることはアドバイスに過ぎません。いろんな提案をして、患者さん本人が治さないとどうにもならないのです。
オープンして半年が過ぎましたが、99%は肛門疾患の患者さんです。それだけ困っている方がいらっしゃったのでしょうが、これほど肛門ばかりになるとは思っていませんでした。肛門を治すことは簡単なことなので、2回の診療で終わらせるようにしています。それ以降は、自分で治してもらわないとならないからです。
肛門をきっかけにして、他のことも相談してほしいと思っています。昨日は、皮膚のことを相談してくださった方がありました。久しぶりに別の疾患の話ができたと思います。ただ、他の疾患は、できるだけ別の日に予約を取ってきてほしいと思っています。肛門関係の予約は、初診に20分を割いていて、再診は5分と考えています。それ以上時間がかかると次の予約の方に迷惑がかかるからです。
なるべくお待たせすることなく、気持ちよく診療を受けていただきたいので、患者さんのほうにも協力をお願いしています。また、スタッフにも協力をしてもらって、私の話の一部は、スタッフにしてもらいだしています。ひとりでは、納得してもらうまで説明しきれないからです。一回の診療で、納得してもらい、考え方を変えてもらう。それがうちの方針です。
なので、受診してくださる方には、十分に事前の勉強もしていただきたいと思っています。そのために、HPの内容も充実していくつもりです。是非、医療機関をおとづれる時は、十分勉強してから受診してください。