高血糖と低血糖のひらいクリニック

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ひらいクリニック

   外科OGTT脂質異常症甲状腺消化器総合診療科

腸内洗浄があると初めて知りました

 腸内洗浄というものが、最近流行っていると初めて知りました。腸内洗浄というのは、昔大腸の手術前や大腸内視鏡の前によく行われていました。肛門側から、ぬるめのお湯をたくさん入れて、腸の中を洗って外に出すという方法です。でも、今はいい薬ができたので、そういう方法は取らなくなりました。

 便を外に出す働きをしている腸に、逆流させて液体を入れてもいいものでしょうか?ある方は、腸内洗浄が原因と思われる内痔核の悪化を起こしていました。無理に圧が加わるので、そういったことも起こりえると思います。

 昔から、浣腸というものがあって、便が出せなくなると肛門から浣腸液を入れて、無理やり腸を動かして排便を促しています。でも、わたしは浣腸も反対しています。無理に腸を動かすと、後の動きが悪くなってしまいますし、頻回に来る排便したい感覚が内痔核など肛門疾患を悪化させます。

 赤ちゃんが便秘で、苦しんでいるとき、どうするか知っていますか?キャラメルを少量、肛門の中に入れてあげるんです。キャラメルはほとんどが油なので、潤滑剤の役目もします。キャラメルが入った刺激で、動きを止めていた腸が動き出して、排便を促すのです。

 このことは、大人にも応用できます。キャラメルに抵抗があれば、オリーブオイルを肛門内部に塗るだけでも、硬い便は出しやすくなります。肛門近くまで便が下りてきているのに、だせないでいる方の多くは、肛門に痛みを感じて、肛門を逆に締めてしまっているので、痛みを取ることも重要です。早く出してしまいたいと、無理に力むことも逆効果です。できれば、和式便座を使って、出産するときの感覚で、ゆっくり腹圧をかけてみてください。

 肛門の手前の直腸まで、硬い便が下りてきて、栓になってしまったような場合は、最後に便を押し出してくれるはずの直腸が広がって伸びきっているので、最後の押し出しができなくなっています。なので、こういった場合は、腹圧で押し出さないと便は出ないかもしれません。でも、大事なことは、腸にため込んだ量の便くらいは、ちゃんと肛門を通って外に出すようにできているということです。

 人間や動物の体は不思議なものです。ちゃんと考えて作られているので、できないことはないのです。自然に逆らわないことが重要だと思います。そういった意味では、逆流させる腸内洗浄は、反対です。腸が動こうとする動きに逆らったことをしていいことはないと思います。宿便を取りたいからという話もよく聞きますが、それならこんにゃく料理をしっかり食べればいいだけです。こんにゃくは、消化も吸収もされない食品です。腸のお掃除役と言われています。腸の動きに逆らわず、きれいに掃除して外に出してくれるので、腸内洗浄と同じでしょう。

 便秘がにきびや皮膚のあれの原因だということもよく聞きますが、便秘が原因でしょうか?私はそうは思いません。便秘を起こしている食生活、ストレスと感じている精神状況、そんなものが皮膚のあれを作っていると思います。なので、そういった方には、朝食に野菜をしっかり取るように指導しています。朝食べたものが、翌日の先頭の便になるのです。その便をしっかり大きいものにして、いい便を作れば、勢いも付きますし、だしやすくなるのです。

 自然の摂理に逆らったことは、どんなことでもよくないと思っています。何千年もかかって進化という過程を経て動物の体はできています。人間も同じ動物なので、他の動物と別に考えることがおかしいことです。過去の歴史の中に、同じようなことで苦しんだ人がいて、いろんなアイデアを出して解決してきています。古い習慣の中に、そのヒントが隠されているのです。健康な体や、健康的な肌はからだのうちから作っていくものではないでしょうか?

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