大事な友人が大変なことになっています
状態が悪いようで、この週末は家族が付き添うそうです。彼はアマチュアバンドのボーカルでした。わたしとはある意味いいライバルでした。とても明るい性格で、肺がんがわかった後も、楽天的な考え方をしていました。
彼が入院した病院は、昔は肺結核の病院でしたが、今は肺がんの患者さんばかりだったようです。いまどき珍しく、喫煙場所があるので、患者さんたちが集まって情報交換していたそうです。彼は、胸水で見つかったので、最初から末期がんでした。主治医からは喫煙を許可され、会いに行くと喫煙場所に行き、いろいろ話を聞かせてくれていました。
喫煙が悪いものといわれだして長くなります。受動喫煙は確かによくないと思います。でも、彼がなったのは、喫煙による扁平上皮癌ではなくて、喫煙と関係ないといわれている腺癌です。扁平上皮癌ならもっと早くに見つかるのですが、腺癌は見つけるのが困難です。彼も、腫瘍が限局せず、肺の周囲を広がっただけだったのでしょう、胸水ではじめて見つかりました。
がんの中で社会的に問題になるのは、罹患者が多いものです。肺がんは比較的少ないし、喫煙によるものはもっと少ないはずなのに、どうして他のがんよりうるさく規制されるのでしょうか?国が敷地内禁煙にすれば、補助金を出すのでしょうか、多くの病院が敷地内禁煙にして、職員にも患者にも禁煙を強いるようになりました。
でも、余命が短いとわかった人に、強要すべきでしょうか?そういった意味では、友人の入院した病院は寛大だったと思います。
病気の中で、本当に制限しないとならないものは多いはずです。喫煙なんて、ほんの一部に過ぎません。人の欲が増えた分、食事による病気はものすごい勢いで増えています。生活習慣病というものは、ほとんどが食べ過ぎによるものです。蒂に禁煙するとそっちで大変なことになるので、わたしは無理な禁煙は進めません。
世の中におかしいと思うことはいっぱいあります。同じように思ってる人がいるのに、みな何も言わなくなったのはなぜなのでしょうか?クリニックに来てくださった方は、わたしと同感してくださる方も多くいます。いろんな形で、クリニックも助けてくれています。それが真実の姿なのではないでしょうか?医療は高圧的なものであってはならないのです。